2022.02.25
★お気に入り登録

[特集 国際ロボット展vol.5] この分野が熱い【その1】金属加工/クロイツ、コスメック

金属加工を補助する

パレットグリッパには中央にクランプ部と左右に位置決め部がある

 コスメックは加工機に被加工材を固定するクランプ装置や、ロボットハンドなどを開発、製造する。佐藤直人営業部企画・広報室長は「金属加工向けには、パレット(被加工材を取り付けて供給する台)や被加工材のロボット搬送などを提案する」と話す。  「パレットグリッパ」はパレットを搬送するためのハンドだ。パレットを横からつかむため、パレット上の補助具や被加工材への干渉が少なく、縦積みしてストッカーの設置面積をコンパクトにできる。可搬質量の異なる4機種があり、最大で約3300kgまで搬送できる。  昨年は、被加工材を搬送するためのハンド「ホールグリッパ」を発売した。ハンド先端のピン状の接続部を、ハンド本体を保護するキャップで覆っていることが特徴。キャップ側面のグリッパーが空気圧で拡張し、穴の内側から固定する。キャップとグリッパーの隙間が小さく、切りくずなどの異物が侵入しにくい。工作機械内外でのワーク搬送に適する。  その他に二つ爪や、丸物をつかめる三つ爪などの多様なハンドをそろえる。佐藤室長は「ハンドの種類が多い方が、顧客から選んでもらいやすい」と言う。

多方向から問題解決

「自動化の導入の裾野を広げるために、ラインアップ拡充に力を入れている」と語るコスメックの佐藤直人営業部企画・広報室長

 国際ロボット展では「あらゆる段取り替えを自動化」とのコンセプトを掲げる。ロボットの周辺機器を一挙に出展し、ロボットを使ったデモ機で実演する。「さまざまなアプローチで製造現場の課題の解決に貢献したい」と語る。  今回の目玉は、用途に応じてワンタッチでハンドを付け替える協働ロボット向けの「マニュアルハンドチェンジャー」だ。「マニュアルハンドチェンジャーの売れ行きは伸びており、協働ロボットの普及が進んでいる実感がある」と反響を口にする。  「プレス加工を手掛ける小さな会社に、コンパクトな協働ロボットとマニュアルハンドチェンジャーを即決で導入いただいた実績もある」と佐藤室長。「ロボットの導入は人材不足や技術の継承に苦しむ工場の課題を解決する有効な手段になる。金属加工の分野には潜在的なユーザーが多く、市場のポテンシャルは高い」と続ける。ランニングコストやイニシャルコストの回収の見通しなど判断基準を提示して自動化を推進する考えだ。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史、斉藤拓哉)

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE