[特集2025国際ロボット展vol.8]注目の出展製品PickUp!①
2025国際ロボット展(iREX2025)のテーマは「ロボティクスがもたらす持続可能な社会」。過去最多の673社・団体が出展を予定しており、ロボットの最新システムや周辺機器が一堂に展示される。本コーナーでは見逃せない注目製品を紹介する。
垂直多関節ロボットが進化
不二越は人や物に接触する前にその接近を検知できる協働ロボット「MZS05」を出展する。一般的な協働ロボットは接触すると停止するが、MZS05は接触前に停止する。ベース部に組み込まれたレーザースキャナーがロボット周辺を常時監視し、設定した範囲内に人や物が入ると自動的に速度を落とす。さらに、アーム本体に人や物の接近を検知するセンサーを搭載。360度どの角度からでも接近を検知し、ぶつかる前に停止する。検知された人や物がなくなると、自動で作業を再開する。最大可搬質量は5kgで最大リーチは927mm。
ヤマハ発動機は7軸構成で人間の腕に近い自由度を実現する同社初の協働ロボット「Yamaha Motor Cobot(ヤマハ・モーター・コボット)」を披露する。最大アーム長が1300mm、最大可搬質量は10kgと、長いリーチと大きい可搬質量で幅広い業種に適用できる。また、全軸に高精度トルクセンサーを内蔵しており、コネクターの挿抜や曲面へのバフがけといった力加減が求められる倣い動作を可能にする。従来の記述式プログラミングに加え、命令文が入ったブロックをつなぎ合わせてプログラムを作成する「ブロックプログラミング」も可能で、感覚的に操作できる。
スカラやヒト型、AMRも
セイコーエプソンは同社初の50kg可搬モデルの水平多関節(スカラ)ロボット「LS50-Cシリーズ」を出展する。小型部品から電気自動車(EV)関連などの重量物の搬送まで幅広く対応する。国際安全規格「ISO10218-1:2011年版」と北米向け安全規格「NRTL(UL1740)」の認証を取得。「安全速度監視機能」や「安全位置監視機能」などを搭載し、ロボットの動作エリアに人が侵入すると停止する。そのため、限られたスペースでも柔軟なレイアウト設計を実現できる。バッテリーレスのため、保守の手間やコストも削減できる。
山善は「ヒューマノイドロボットで製造業の未来が変わる!」をテーマにヒューマノイド(ヒト型ロボット)を展示する。ヒューマノイドは、人手作業が中心の現場にそのまま導入できるのが最大の特徴で、自動化や省人化に向けた現場の大規模な改修や設備変更などを必要としない。また、物流施設内の自動倉庫や無人搬送車(AGV)、自律移動型搬送ロボット(AMR)などの各種システムとの親和性も高い。同社はヒューマノイドのいち早い社会実装に向け、実証実験などに取り組む。
シナノケンシは自律走行型搬送ロボット「Aspina(アスピナ)AMR」を出展する。可搬質量100kgの「AspinaAMR100」、リフト式で同85kgの「AspinaAMR85L」に加え、新たに同300kgの「AspinaAMR300」をラインアップに追加した。新機種は従来機種の3倍となる300kgの可搬質量を実現しながら、本体サイズは幅600mmと変わらず、奥行きもわずか200mm大きくなっただけで、小回り性能を維持する。そのため、日本の製造現場のように狭い通路が多い環境でも、小回り性能を生かして柔軟に活躍できる。
(ロボットダイジェスト編集部 山中寛貴)

