人材・技術・環境、ロボ普及へ施策出そろう【その2】/経済産業省 石井孝裕ロボット政策室長
リスクの高い基礎研究を協調して実施
――三つ目の方向性である「中長期的課題に対応したR&D体制の構築」について教えてください。 今年8月に発足した技術研究組合「産業用ロボット次世代基礎技術研究機構」(略称ROBOCIP=ロボシップ)が、具体的な取り組みの一つに当たります。ロボットの活用領域をさらに拡大させていく上で、基礎研究分野にはいまだ数多くの取り組むべき課題があります。しかし、各ロボットメーカーが基礎研究に割けるリソース(経営資源)は限られている。加えて、こうした分野については、メーカーのみならず、大学や研究機関の研究シーズが鍵となります。そこで、産業界が技術研究組合を作り、大学と緊密に連携し、協調して研究を推進していく体制が構築されました。ROBOCIPには、現在、川崎重工業、デンソー、ファナック、不二越、三菱電機、安川電機が参画しています。今年10月には、ROBOCIPによる研究開発プロジェクトが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」の一つとして採択されました。 ――なるほど。それではインタビューの「その3」で、採択されたROBOCIPのプロジェクトの概要や、研究開発を促進するためのその他の取り組み、ロボット普及に向けた施策の四つ目の方向性についてお聞きしたいと思います。
(聞き手・ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
経済産業省 製造産業局 ロボット政策室長 石井孝裕(いしい・たかひろ) 2005年3月早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年4月経済産業省入省、製造産業局参事官室配属。製造産業局自動車課課長補佐や産業技術環境局研究開発課課長補佐などを経て18年7月より現職。東京都出身、1981年2月生まれ。 関連記事:人材・技術・環境、ロボ普及へ施策出そろう【その1】/経済産業省 石井孝裕ロボット政策室長 関連記事:人材・技術・環境、ロボ普及へ施策出そろう【その3】/経済産業省 石井孝裕ロボット政策室長