2025.12.01
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[特集2025国際ロボット展vol.10]幅広い知見で困り事を解決

今回展で過去最大級のブースを構えるファナック。「人手不足はファナックロボットで解決!」をテーマに、多数のロボットシステムを展示する。多種多様なロボットシステムの展示や幅広い産業の自動化で培ったノウハウを生かし、さまざまな顧客に最適なソリューションを提案する。新製品や新技術を数多く発表し、自社展で好評を博したシステムなども改めて紹介する。「展示の詳細はまだ明かせないが、力を入れて開発した新製品なども初披露する。ぜひ会場でご確認いただければ」とファナックのロボット研究開発統括本部長の安部健一郎常務執行役員は話す。

「協働+AI」でシンプルに

CRXのアプリケーション例。ケーキのデコレーションにも使える

 ファナックは「人手不足はファナックロボットで解決!」をテーマに出展する。西2ホールに過去最大の大規模なブースを構え、多数のロボットシステムを展示する。
 ファナックは自動車や電気機械、食品、物流など幅広い分野の多様な工程での自動化の経験とノウハウを有する。それらを生かし、顧客に最適なシステムを提案する。「展示しているロボットの数が多いので、中には参考になるシステムがきっとあるはず。また展示の他にも提案できることはあるので、お客さまの現場での困り事をぜひわれわれに教えてほしい」と安部常務は話す。

 特に力を入れるのが、協働ロボット「CRXシリーズ」のアプリケーション(使い方)の提案だ。CRXはロボットに不慣れな人でも使いやすいように開発したロボットで、「手作業でしていた作業を少しずつ置き換えやすく、段階的に自動化の比率を増やしていける。アルバイトを新しく雇うような感覚で導入してもらえれば」と安部常務は話す。

 今回展ではCRXをさらに使いやすくするため、人工知能(AI)と組み合わせたシステムの展示にも力を入れる。CRXは力を検知する内蔵センサーを備え、同社のビジョンセンサーとも簡単に接続できる。
 「視覚や力覚など人の感覚を持たせやすいロボットなので、その情報を処理して制御するAIとは相性がとても良い。AIを駆使することで複雑な設定などを省き、ユーザーがより簡単にシンプルに使えるシステムを提供できる」と安部常務は言う。同社は独自のAIソリューションも提供するが、AIを研究する大学の研究室やベンチャー企業とも柔軟に連携して顧客に最適なソリューションを提案する。

遠隔操作や食品向けも

遠隔操作システム。小さなロボットを手で持って動かすと、大きなロボットが同様の動きをする

 今年5月に山梨県忍野村の本社、6月に愛知県小牧市の名古屋支社テクニカルセンターで開催した「新商品発表展示会2025」で発表したシステムも多数展示する。

 その一つが遠隔操作システムだ。手元の小さいロボットを動かすと、離れた場所にあるロボットが同じ動作をする。
 特徴は「動作遅延のない動き」「力覚のフィードバック」「特別なデバイス(機器)が要らないこと」の3つ。これらの特徴を実現できたのは、昨年発売したロボット制御装置「R-50iA」の処理能力が高いためという。ロボット制御装置では世界で初めて(同社調べ)サイバーセキュリティーに関する国際規格の第三者認証を取得しているため、外部から操作してもセキュリティー上の懸念が少ない。

ロボット制御装置「R-50iA」の高い処理能力で違和感のない遠隔操作を実現

 「操作には人手が必要で、そこまで話題になるとは予想していなかったが、発表すると非常に大きな反響があった。製造現場での安全性への要求は一層高まっており、鋳物工場などを見据え試験運用が既に複数始まっている」(安部常務)。遠隔操作ロボットは省人化にはならないが、業務内容が「危険がある現場作業」から「ロボットの操作」に変わることで人材を採用しやすくなり、人手不足の改善にはつながるという。

 新商品発表展示会や食品設備の展示会などで好評だった食品向けソリューションの一部も、同展の会場で改めてアピールする。食品向けシステムでも協働ロボットのCRXを積極的に活用する。CRXには耐環境性の高い白いエポキシ塗装を採用し、食品対応の潤滑油を使用した「食品対応仕様」がある。通常仕様のCRXと同様に可搬質量5kgから30kg、リーチ長994mmから1889mmの5機種をそろえ、幅広いラインアップで訴求する。

 アームを直接動かして動作を覚えさせるダイレクトティーチ機能もあるため「職人の方に一度そのモードで動かしてもらえれば、ケーキのデコレーションなど高度な作業にも対応できる。人手はかかるが人手不足が深刻な食品業界でもロボットをぜひ使ってほしい」と安部常務は語る。

その他にも多数の新製品

 会場ではその他にも、新技術や新機能を多数披露する予定だ。「まだ展示の詳細は明かせないが、かなり力を入れて開発した新製品も初披露する」という。
 同社は近年、CRXの新たなアプリケーションや、ロボットに主軸を持たせたロボット切削システムの新仕様など、次々に新技術や新仕様を発表している。「これは私が細かく指示を出しているわけではなく、ロボットの技術開発を担うメンバー達から自発的にさまざまなアイデアが提案され、次々に具現化させているため。開発チーム内での開発意欲の高まりが良い循環につながっており、展示会ではその開発部門のチーム力をぜひ感じてほしい」と安部常務は自信を見せる。

<次ページは、安部健一郎常務執行役員ショートインタビュー>

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