[2023国際ロボット展リポートvol.13]協働ロボットの普及はまだまだ“初期段階”/ユニバーサルロボット ステイシー・モーザーCCO
2023国際ロボット展(iREX2023)の開幕直前に公開した記事でも紹介した通り、デンマークに本社を置く協働ロボットメーカーのユニバーサルロボット(UR)は30kg可搬の協働ロボット「UR30」を今回展の目玉として発表した(同記事はこちらから)。国際ロボット展リポートのvol.13では、同展に合わせて来日したURのチーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)のステイシー・モーザー氏のインタビューをお届けする。グローバルで商業戦略と組織開発を担うキーパーソンだ。
強みは「使いやすさ」と「エコシステム」
――URは協働ロボットのパイオニアですが、近年は競合企業も増えています。
URは協働ロボット市場をけん引するマーケットリーダーであり、世界の協働ロボットの約40%をURの製品が占めています。競合は特に直近の5年間で増えました。産業用ロボットメーカーが協働ロボットに力を入れはじめ、中国などの新興メーカーも増えています。われわれはこれを良いことだと考えています。
――それはなぜ?
競合が増えることで新たな市場が開拓され、協働ロボットのアプリケーション(活用方法)も広がります。ロボットなどで自動化できる作業のうち、まだ5%程度しか自動化されていません。その膨大な潜在需要を掘り起こすため、競合企業が協働ロボットに投資して市場を広げることは歓迎しますし、URも引き続き協働ロボットの分野に投資していきます。
――競合他社と比べて、URの強みとは?
一つ目が使いやすさです。プログラミングがしやすく、システム構築もしやすいため稼働までの期間を短縮できます。2008年に最初の製品を発売してから、現在の製品は5世代目に当たります。顧客からの声を聞き、さまざまな機能を追加してきました。例えばパレタイジングやねじ締め、溶接など用途に応じた動作のテンプレートをあらかじめ用意しており、それを使えば誰でも簡単にプログラムを作成できます。ソフトウエアが更新されるため、ロボットが陳腐化することもありません。
――なるほど。
URの使いやすさが分かるエピソードとして、日本のユーザーである愛同工業(愛知県大府市、渡辺裕介社長)という自動車部品メーカーの事例を紹介したいと思います。同社は人手の確保に苦労していましたが、URのロボットで業務を次々に自動化し、生産性の向上を実現しました。自社でシステムを構築し、今では50台以上の協働ロボットが工場で稼働しています。URをお選びいただいた理由として「最初に構築したシステムを作るだけなら、他社の協働ロボットでもできたかもしれない。しかし、今後も引き続き自社でさまざまな工程を自動化していくには、使いやすさに優れるURの協働ロボットが最適だった」との声をいただきました。
――その他の強みとは?
もう一つは、多数のパートナー企業が集まって、巨大なビジネス生態系(エコシステム)を構築しているところです。URの協働ロボットは一種の「プラットフォーム(=基盤)」であり、そのプラットフォームを活用して、さまざまな企業がソリューションを開発し、顧客に提供しています。パートナーにはUR製ロボットに適した周辺機器やソフトウエアを開発する企業もあれば、システム構築を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)や、自社製品にUR製ロボットを組み込んで販売する設備メーカーもあります。URのパートナーは世界で1200社を超え、これほどのエコシステムを持つ企業は他にないのではないでしょうか。
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