2025.11.05
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[MECT2025フォトリポート]ロボットによる自動化が定番に

 前ページでは工作機械メーカーが展示した加工機へのワーク脱着の自動化システムを紹介したが、会場ではその他にもロボットを使ったさまざまなシステムが展示された。このページでは、工作機械に組み込んで使う機器のメーカーや機械部品メーカー、FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)商社、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などによる幅広い提案を取り上げる。

トライエンジニアリング(名古屋市守山区、片山 誠二社長)はロボットによる切削加工を提案。これまではロボット先端に回転主軸を搭載していたが、今回展では回転主軸を固定式にし、ワークをロボットで把持したまま加工する新方式を提案
ダイドー(名古屋市中村区、 田中慎悟社長)はデモラインでロボットの使い方のアイデアも紹介した。協働ロボットがタッチペンで搬送ロボットのタッチパネルを操作するなど、珍しい使い方も見られた。中国Agibot(アギボット)のヒューマノイドも展示
中央工機(愛知県名古屋市、黒川学社長)は人工知能(AI)とロボットの組み合わせを訴求し、中国Unitree(ユニツリー)製のヒューマノイド(ヒト型ロボット)を展示した。ヒューマノイドが二足歩行し、来場者にペットボトルを渡すデモを披露した
ハーモニック・ドライブ・システムズは人の手の形のロボットハンドを展示し、ボトルをつかんでカップに注ぐ動作など披露した。手首や指の各関節に同社の小型減速機を組み込み、滑らかな動きをアピールした
エバ工業(三重県東員町、中村研社長)は新開発の「タワー型ツールストッカーシステム」を参考出展。タブレット端末から必要なツールを選択するとロボットがツールをつかみ、台車に投入する。従来製品と比べて省スペースだ
三明(静岡市清水区、笠井茂社長)のブースでは、NTNの手首関節モジュール「i-WRIST(アイリスト)」を使った外観検査システムが展示された。カメラでワークをさまざまな角度から高速で撮影する
ロボットメーカーでもある不二越は、新機能を搭載した協働ロボット「MZS05」を紹介。通常、協働ロボットは人と接触すると停止するが、同製品はアームへの接近を検知して接触前に停止する機能を備える
フルサト・マルカホールディングスは、ワークのきずの有無を判定してOK品とNG品に振り分ける協働ロボットシステムを展示。「ワークの認識から把持まではわずか2秒」と担当者は述べた
田口鉄工所(岐阜県大垣市、田口薫社長)は「協働ロボットパッケージシステム」を提案。「ロボットの専門知識は不要ですぐに導入でき、中小企業の自動化の最初の一歩に最適」と担当者は話した
イマオコーポレーション(岐阜県関市、今尾任城社長)は工具を使わず簡単にワークを固定できるジグ(補助具)と、協働ロボットを組み合わせを提案した。人とロボットの双方が簡単に扱えるジグを導入することで、日中は人手で、夜中はロボットでなど柔軟に設備を運用できる点をアピールした
北川鉄工所の旋盤用パワーチャック「BRシリーズ」は、独自構造のナット「Tnut-plus(Tナットプラス)」を使うことで、ジョー交換による精度の低下を防ぐ。この利点を生かし、開発中の自動ジョー交換システムをイメージしたデモシステムを展示した
NKワークス(東京都千代田区、三羽和紀社長)は、手動式バイスの自動開閉装置「クランプブースター」を初出展。ドイツのイデーベルクの製品で、ロボットハンドの先端に取り付けて使う。同製品のソケットをバイスに差し込み、最大100Nm(ニュートンメートル)のトルクで締め付ける
イネイブル(さいたま市大宮区、 小川秀樹社長)は、ワーク表面の微細な凹凸や傷を高分解能で測定するハンディータイプの非接触表面測定機「4D InSpec(インスペック)」を、協働ロボット先端に搭載して展示した
日伝は複数のデモシステムを用意し、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を提案した。工作機械へのワーク供給や部品の組み立て、工程間搬送などを自動化するデモシステムを構築した
岡谷鋼機は物流の自動化システムを製造業向けにPRした。無人搬送車(AGV)や無人搬送フォークリフト(AGF)などを組み合わせた搬送デモを実施する他、中国のロボットメーカーAgiBotのヒューマノイドを映像で紹介した
東陽(愛知県刈谷市、羽賀威一郎社長)は「手が届くスマートファクトリー」をテーマに、デジタル技術やモノのインターネット(IoT)でつながる未来の工場の姿を提案。ブースでは自動搬送システムや協働ロボットシステムなど最新の自動化ソリューションを中心に展示した
ソフィックス(横浜市港北区、直井貴史社長)はファナック製の協働ロボット「CRXシリーズ」のプラグインソフトウエアの開発を提案した。直井貴史社長は「お客さまの要望に合わせた仕様のプラグインソフトを開発できる。より簡単で使いやすくするためのお手伝いができる」と自信を見せた
THKは次世代搬送システムとして注目されるリニア搬送システムを展示した。スライダーの動きを個別に制御でき、スライダー上で部品の組み付けなどもできる。設置後の増設などもしやすいなど、さまざまなメリットを備える
会場出口に向かう通路では同じくニュースダイジェスト社が主催する来年6月開催のロボット・自動化展「ロボットテクノロジージャパン」も紹介した

(構成・ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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