[注目製品PickUp! vol.9]設置面積は座布団以下!? 500mm四方に収まるコンパクトなロボット【後編】/スギノマシン「スイングアーム式コラムロボット」
連載「注目製品PickUp!」の9回目は、スギノマシン(富山県魚津市、杉野太加良社長)が独自開発した産業用ロボット「スイングアーム式コラムロボット」を取り上げる。コラムロボットの最大の特徴は、非常に狭いスペースに設置できること。設置面積は何と、一般家庭などで広く使われる座布団のサイズよりも小さい。コンパクトな一方で剛性(変形のしにくさ)が高いのも売りだ。後編では、その強みを生かしたコラムロボットの有効な使い方などを紹介する。
搬送に加え穴開けやバリ取りも
スギノマシンが開発したスイングアーム式コラムロボットの最大の特徴は、非常に狭いスペースで稼働できること。
一方でアームの剛性も高いため、加工物の搬送だけではなく、材料をつかんだ状態で穴開け加工やバリ取り(加工時に金属や樹脂に発生する、バリと呼ばれる不要な出っ張りを取り除くこと)などもできる。
コラムロボットは、言うまでもなくスペースが限られる場所で使うのが最も有効だ。既存の生産ラインに後付けする場合でも、機械と機械の隙間が縦横でそれぞれ500mm以上あればレイアウトを大きく変える必要はない。
また、棒状のボディーにロボットアームを縦に収納する構造を採用し、アームが本体の後ろ側にはみ出さないため、従来のロボットでは使うのが難しかった壁際でも設置できる。
一貫生産ラインの提案に注力
コラムロボットを生かした独自のソリューションとして、同社が最近特に力を入れているのが「一貫生産ライン」の提案だ。
一貫生産ラインは幅広い事業を手掛ける同社ならではのソリューションで、加工から搬送、洗浄までの一連の工程を全て自社製品でまかなう。材料の加工にはマシニングセンタ(MC)と呼ばれる工作機械やドリルユニット、洗浄には高圧洗浄機を使う。そして、コラムロボットは2台の機械の間で加工物の搬送を担う。
経営企画本部長と新規開発部長を兼任する杉野岳常務執行役員は「工作機械と洗浄機、ロボットを自社製品に持つ会社はあまりない。MCや洗浄機などの当社の既存製品の商品力をさらに高めるためにも、コラムロボットを活用したい」と強調する。
同じ企業の記事
>>[注目製品PickUp! vol.9]設置面積は座布団以下!? 500mm四方に収まるコンパクトなロボット【前編】/スギノマシン「スイングアーム式コラムロボット」
>>水に強いロボットを開発! 機内設置で自社商品の競争力高める/スギノマシン
>>原発の廃炉作業向けロボットを開発/スギノマシン
>>スイングアーム式ロボットの小型・軽量版を開発/スギノマシン
>>洗浄や塗膜剝離などの作業負荷を大幅軽減/スギノマシン
>>ロボットやAIを活用する新事業部を設立/スギノマシン
>>「RI事業部」発足、ロボットを中核にトータル提案/スギノマシン
>>自動化コンサルティングサービスを開始/スギノマシン
>>3Dシミュレーションソフトを発売/スギノマシン
>>ドリリング・タッピングユニットの自動工具交換オプション発売/スギノマシン
>>サービスが競争力の源泉に/スギノマシン
>>ロボットでの切削加工を可能にするエンドエフェクターを開発/スギノマシン
>>板金向けに2種類のパッケージシステムを開発/スギノマシン
>>「自動溶接は難しい」との先入観をくつがえすロボットシステム/スギノマシン
>>[活躍するロボジョvol.40]バリ取りの課題をロボットで解決/スギノマシン 荻野みなみさん