2024.03.18
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物流業界向け内覧会でデバンニングロボットの高速化をアピール/川崎重工業

川崎重工業は3月12日、神戸市西区にある西神戸工場内のショールームで「最先端の物流業界向けロボットソリューション内覧会」を開催した。特に貨物輸送事業者などを対象に、輸送用コンテナから貨物を取り出すデバンニングロボット「Vambo(バンボ)」の高速化オプションなど物流業界向けの自動化システムを紹介した。

物流業界にソリューションを

内覧会の前に会社概要の紹介や物流業界向けのプレゼンテーションを実施した

 川崎重工業はデバンニングロボットやロボットを使ったデパレタイズシステムを物流業界向けに提案する。3月12日に貨物輸送事業者などを対象にした「最先端の物流業界向けロボットソリューション内覧会」を開催し、物流現場での省人化や省力化に貢献する自動化システムを紹介した。

 内覧会前に行ったプレゼンテーションでロボットディビジョン産機ロボット総括部の吉桑栄二総括部長は「日本の製造業でのロボットの利用率は約4%と非常に低く、物流業界向けになるとさらに低くなる。これは物流業界に向けた自動化の提案がまだまだ少ないことを意味する」と現状を語る。

作業効率が1.3倍に

 会場は西神戸工場のロボット第1工場内のショールームで、今回の目玉はデバンニングロボットのバンボ。中型ロボット「RS080N」と無人搬送車(AGV)を組み合わせたロボットシステムで、物流現場で特に負担の大きいコンテナ内の荷物の荷降ろしを自動化する。

 内覧会では、高速化オプションを搭載した実機を展示した。通常の仕様ではカメラが付いているのはハンドの先端のみで、荷物をつかむ前に一時停止し、荷物の位置を確認する必要があった。高速化オプションはアームの根本にもカメラを付けたことで、搬送中に次の荷物の位置を確認できるようになり、都度停止する必要がなくなった。高速化オプションを付けると、一度に2個ずつケースを運んだ場合で1時間当たり最大800個の荷降ろしができ、この処理数は通常仕様の約1.3倍だ。

 「顧客のニーズを基に、ロボットハンドの使い方や制御方法などをアップデートしており、細かい工夫を重ねて製品の質を高めている」とロボットディビジョン産機ロボット統括部産機営業部の澤田純一副部長は話す。

バンボが取り出した荷物をコンベヤーに移し替えるデモを展示
高速化オプションを付けるとアームの動作中に次の荷物の位置を確認できる

(ロボットダイジェスト編集部斉藤拓哉)

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