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2023.08.25

[ショールーム探訪vol.17]顧客の声ダイレクトに拾い上げる/シュンク・ジャパン「CoLab」(1/3)

ドイツに本社を置くエンドエフェクターやツールホルダーのメーカー、シュンクの日本法人シュンク・ジャパン(東京都品川区、星野泰宏社長)は7月14日、本社併設のロボットアプリケーション(応用事例)センターでありショールームでもある「CoLab(コラボ)」をオープンした。CoLabは、顧客と真のコラボレーション(コラボ)を図り、よりダイレクトに声を拾い上げるために、シュンクがグローバルに展開する戦略的な施設だ。足を踏み入れれば多数のアプリケーションが並び、ロボットを使う想像力を刺激される場所だった。

声を聞ける重要な場

テープカットの様子

 CoLabでは、顧客の自動化への要望を分析し、新たな自動化アプローチの実現可否を現実的な条件下で検証できる。
 顧客はロボットやエンドエフェクターの導入前に製品やアプリケーションを確認することで、投資リスクを軽減できる。顧客の加工対象物(ワーク)やシュンク製品、ロボットを使って顧客の製造工程を再現し、自動化の実現可否を検証。各機器のパラメーターの提供もでき、スムーズな自動化に貢献する。
 また、導入後すぐに使えるように、シュンク製品や技術、取り扱いについてのトレーニングも実施する。
 日本のCoLabはグローバルで10カ国目、拠点としては12カ所目。世界中のCoLabで知識や経験を共有し、知見を深めている。そのノウハウに基づく恩恵も、顧客は享受できるだろう。

 正式オープンの7月14日、テープカットでは星野社長が「CoLabは2021年から展開している。テストや検証だけでなく、顧客の声を直接聞くことができる重要な場だ。真のコラボのために生かす」とあいさつした。テープカットにはパートナーであるシステムインテグレーター(Sier、エスアイアー)の三宝精機工業(横浜市戸塚区、金子一彦社長)なども参列した。

7つのデモ展示

 CoLabに入って目を引くのは、7つのアプリケーションのデモ展示だ。安川電機やファナック、三菱電機などさまざまなメーカーの協働ロボットを使う。そこにシュンク製エンドエフェクターの幅広いラインアップを生かしたデモだ。

 「力覚センサーと電動グリッパーを使った組み立て作業」は、ひずみゲージ式の6軸力覚センサーを用いたピンの挿入作業の自動化。ロボットとハンドの接続は機能拡張用のプラグインのため容易で、誰でも簡単にティーチングペンダント側でロボットハンドまで制御できる。

 「マグネットグリッパーを使ったシートメタルのハンドリング」では、磁力をコントロールできるマグネットグリッパー「EMH」を用いて、薄板のワークをハンドリングする。積み重ねてある薄板ワークを、任意の枚数だけハンドリングできる。「約4kgの重量ワークでも垂直に持ち上げられる」と担当者は胸を張る。隙間が狭く上部からしかアプローチできない場合でも重量物をハンドリングできるという。

  • 力覚センサーと電動グリッパーを使った組み立て作業

  • マグネットグリッパーを使ったシートメタルのハンドリング

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