生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2019.06.27

いつか、あなたの街にも?! キャラバンカー、発進/シュンク・ジャパン

ロボットハンドのメーカー、シュンク・ジャパン(東京都品川区、谷本昌信社長)はこのほど、製品やブランドのアピールのためにキャラバンカーを制作した。6月下旬から運用を始める。移動式のショールームであるキャラバンカーで、各種展示会やセミナーなどのイベントに出向く。また、営業先にキャラバンカーで駆け付けて、顧客との対話から課題を探り、実演しながら解決法を提案する。谷本社長は「地方での営業力を強化したい」と意気込む。

日本法人10周年を機に

キャラバンカーの側面にロボットハンドの使用場面の画像

 シュンク・ジャパンはドイツに本社を置くロボットや工作機械の周辺機器メーカー、シュンクの日本法人。シュンクは対象物を「しっかりつかむ」製品に特化しており、ロボット用のハンドや関連機器と、工作機械用のクランプ装置 (被加工物や切削工具の把持用器具)で事業を展開する。

 シュンク・ジャパンは今年1月、設立10周年を迎えた。その記念と、営業力の強化や認知度向上を目的に、定員10人の小型バスをベースにしたキャラバンカーを作った。投資金額は非公表で、まずは来年5月まで1年間のリース契約で運用する。反響を見て、それ以降も継続するか否かや、運用方法を決める。

ショールーム設置以降、より効果的な商談に

「地方での営業を強化したい」と谷本昌信社長

 谷本社長は「設立した2009年に比べ、国内でのシュンク製品の売上高は約10倍になった。ショールームを設置した17年以降は顧客に具体的な課題解決の方法を提案でき、商談の件数や受注率が上がった。今後の発展を見据え『移動するショールーム』としてキャラバンカーを使う」と説明する。特に営業所のある東京、名古屋、大阪以外の地域で、営業力の強化を目指す。

日本法人の本社に併設するショールーム

 製品のほぼ全てが、ロボットや工作機械に取り付けて使われる。ロボットや機械本体に比べると、顧客は使用の際の具体的なイメージを描きにくい。つまり、カタログだけでは製品の特徴を顧客に伝えるのが難しい。動作実演を見せたり、手に取ってもらって初めて顧客に魅力を理解してもらえる製品という。全国各地で顧客の手に触れる機会を増やすため、キャラバンカーの形式をとった。

大、小展示会のそれぞれの良さを体現

背面にはシュンクのブランドキャラクターを務める元ドイツ代表のサッカー選手イェンス・レーマンを描いた

 マーケティング担当の川村康士マネジャーは、「これまでは東京や名古屋、大阪の各地域で開かれる、大規模な展示会に出展してブランドアピールを続けた。そのため、シュンクの認知度は高まっている。一方、それ以外の地域では営業拠点が手薄なこともあり、認知度は低い」と話す。
 大規模な展示会では大きな小間を取り、ブース全体を同社のテーマカラーの深い青色に統一することにより、来場者に印象を残せる。地方で多い小規模な展示会では、長テーブル1つに製品を並べる程度の展示しかできず、ブランドイメージは残しにくい。

TOP