日本発で日本初! ロボットハンドでUR+認証取得/シナノケンシ
ロボットハンド事業に参入
精密小型モーターメーカーのシナノケンシが、ロボットハンド市場に本格参入する。同社は2年前の国際ロボット展でロボットハンドの試作品を発表。その後も展示会などでアピールしてきたが、このほど電動3爪ロボットハンド「ARH305A」を製品版を開発した。
シナノケンシはロボットハンドのメーカーとしては後発にあたる。他製品との差別化を狙って取得したのがUR+の認証だ。UR+は、UR製の協働ロボットに適合する周辺機器を認証する制度。ハードウエアとソフトウエアがともにURのロボットに対応し、ロボット本体の操作盤から周辺機器の設定や操作ができる。
UR+認証を取得した海外メーカーのロボットハンドはこれまでもあったが、日本のロボットハンドメーカーがUR+の認証を取得したのは今回が初めて。
手のひらに穴
UR+認証の取得以外にも、ARH305Aはさまざまな特徴を持つ。例えば、ハンドの手のひら中央部に穴がある中空構造を採用した。この穴は使う人のアイデア次第で自在に活用できる。
例えばカメラを通せば、つかむ対象物を認識したり、二次元バーコードも読み取れる。ライトも通せるし、エアーノズルを通せば簡易的なエアーブローにもなる。
「使い方次第で、システムに付加価値を付けられるロボットハンド」と中込真二執行役員は自信を見せる。
モーターメーカーならではのノウハウも生かし、モーターとコントローラーを一体で設計。コンパクトな製品サイズを実現した。爪の開閉速度や動作開始位置の制御もできる。