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2020.04.30

連載

[注目製品PickUp!vol.23]プログラムは自分で!ハイエンドの取り出しロボット【後編】/ハーモ「HRXⅢ-iシリーズ」

今回の「注目製品PickUp!」は、ハーモ(長野県南箕輪村、濱秀明社長)が2017年に発売した、ハイエンドの射出成形品取り出しロボット「HRXⅢ-iシリーズ」を紹介する。複雑なプログラムをユーザー自身で作成できる機能「スマートプログラム」を専用コントローラーに搭載したのが最大の特徴で、同社は国内の自動車産業に攻勢をかける考えだ。また、独自のソリューション「トータルリンク」とiシリーズのセット提案も強化する。

自動生産ラインで多くの引き合い

 ハーモが2017年12月に発売したハイエンドの取り出しロボット「HRXⅢ-iシリーズ」。取り出しロボットとは、樹脂を成形加工する射出成形機に取り付け、成形品を取り出す専用ロボットだ。

 iシリーズの最大の特徴はソフトウエアにある。専用コントローラーには「スマートプログラム」と呼ばれる、ユーザー自身でプログラミングができる機能を搭載した。取り出しロボットに複雑な動作をさせたい場合に、ユーザー自身で細かなプログラムまで作成できるので、同社にプログラム作成を発注する手間が省ける。

 発売から約2年半がたつが、営業推進部営業推進課の河口尚久課長は「引き合いや販売は着実に伸びている」と話す。
 ターゲット市場は自動車産業。中でも、射出成形機以外の装置との連動が必要になる自動生産ラインなどで多くの引き合いがあるという。

国内の自動車産業を開拓

iシリーズで国内の自動車産業を開拓する

 前編でも紹介したが、HRXは価格に応じて「a」「b」「i」の3種類に分かれる。aシリーズがリーズナブルな取り出しロボットで、bシリーズが標準機、iシリーズがハイエンド機との位置付けだ。
 河口課長は「日本ではbシリーズがHRX全体の7割を占め、iシリーズは1割ほどしかない。だが、海外ではiシリーズが3割ぐらいを占める」と説明する。

 そこで同社は国内でもiシリーズの販売拡大を図る。特に国内の自動車産業では自動化やインサート成形(金属部品などを事前に金型に入れてから樹脂を充てんして一体成形する方法)のニーズが高く、スマートプログラムを搭載したiシリーズで攻勢をかける。

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