[創刊特別インタビュー]10年後が楽しみ/国際ロボット連盟津田純嗣会長
世界中の製造業界で産業用ロボットへの期待が高まっている。安川電機の会長であり、2017年末に国際ロボット連盟(IFR)の会長に就任した津田純嗣氏に世界市場の潮流や課題を聞いた。津田会長は「今後の10年は中小企業にとってのロボットのお試し期間。どうなるかすごく楽しみ」と期待を寄せる。
どうやって中小企業に使ってもらうか
――産業用ロボットが世界的に注目されています。
グローバルに見ても、導入先の6割は自動車関連です。日々さまざまなアプリケーション(使い方)が開発され、どんどん進化しています。自動車の生産台数も上昇傾向にあるため、ロボットの導入数も増えています。これが市場構造の大前提です。そして、われわれロボットメーカーだけでなく業界の関係者すべてが「大きな変化が起きそう」と大きな期待を寄せているのが自動車以外の分野での活用です。
――確かに自動車以外ではなかなか普及が進みませんでした。
とりわけこの数年、中小企業にどうやってロボットを使ってもらうか、さまざまな取り組みがなされています。ドイツのインダストリー4.0も中小企業の現場をいかに自動化し強化するかがポイントです。中小企業が強くならなければ国が強くならないとの考えが根底にあります。
――開発の方向性は?
使いやすいロボットであることです。じゃあ、使いやすさとは何だ、と考えると、毎日使っているヘビーユーザーにとっての使いやすさと、ロボットに対してほとんどなじみがない人にとっての使いやすさは違います。現在、われわれが新たに注目して開発しているのは後者です。
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