2025.12.04
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創薬実験用の細胞を自動で滴下する技術を発表/NTN

 NTNは11月20日、独自開発の「微細塗布装置」で、創薬実験に使う細胞を実験用のプレートに高精度かつ効率的に自動で滴下する技術を発表した。発表に先駆けて18日に大阪市北区の本社で報道陣向けの発表会を開催した。

 微細塗布装置は細胞を滴下するユニットと実験用プレートを載せるテーブル、単軸アクチュエーターで構成される。ユニットとテーブルの位置をそれぞれ単軸アクチュエーターで制御し、ユニット先端部の針に付着させた数pL(ピコリットル、1兆分の1L)の液体を±15μm以下の繰り返し位置精度でプレートに滴下する。
 液晶画面の欠陥箇所へのカラーインクの塗布や、精密部品の組み立て工程での接着剤の塗布などに使われてきた技術を応用した。

「人が担うのが一般的だった細胞の摘出や配置といった作業を自動化できるようになる」と大庭博明主査は話す

 一般的に細胞をプレートに滴下する作業は人の手で行われる。「人が細胞の滴下作業を担うと、量にムラが出てしまうことや人手不足の問題がつきまとう。微細塗布装置を使えば、人の手を使わず高速かつ正確に作業できるようになる」と要素技術開発部ライフサイエンスグループの大庭博明主査は語る。

 2028年に微細塗布装置の量産開始を予定しており、医療の分野に限らず化学や食品、化粧品などの分野もターゲットに入れる。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

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