[2023国際ロボット展リポートvol.6]AIやラボ自動化など、29のデモシステムに注目集まる/デンソーウェーブ
80小間の展示エリアに29ものデモシステムを出展し、4年ぶりに国際ロボット展(iREX)に臨んだデンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)。新型の協働ロボットや人工知能(AI)技術を活用したデモシステムに加え、同社が近年力を入れているラボラトリーオートメーション関連のデモシステムなども提案し、大きな注目を集めた。
双腕でジグレス化
デンソーウェーブはブースを6つのゾーンに分類し、全体で29のデモシステムを出展した。メインテーマは「オープン化」で、さまざまなデモを通じてオープン化がもたらすメリットを来場者にアピールした。
特に大きな注目を集めたのは、昨年発売した新型協働ロボット「COBOTTA PRO(コボッタプロ)」のゾーン。人通りが多いブース前面に目立つように配置し、人やロボット同士の協調作業のデモなどを紹介した。
中でも目玉は、2台のコボッタプロによる「汎用双腕ロボット」を活用した自動化ソリューションだった。製造現場では一般的に、組み立て作業などの時にジグ(部品を固定する補助器具)を使う。従来は部品の品種が変わるたびにジグも変更しなければならず、多品種少量生産や変種変量生産になるほど多数のジグが必要だった。
一方、同社が提案した自動化ソリューションは2台の双腕ロボットで構成されており、片方の双腕ロボットが対象部品を把持して固定しつつ、もう片方の双腕ロボットが部品の組み付け作業を担う。こうした“役割分担”によってジグレス化を実現すれば汎用的な双腕ロボットだけで生産を完結できるため、多品種少量生産や変種変量生産にも柔軟に対応できるという。
リアルなラボを再現
また、簡単に導入できるパッケージシステムをそろえた「システムソリューション」のゾーンの一角には仮想の研究所(ラボ)を設け、研究所内の実験作業などを自動化する「ラボラトリーオートメーション」を提案した。
小型協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」を5台使い、①pH(ペーハー)測定②粉体秤量(ひょうりょう)③混合・撹拌(かくはん)④ろ過⑤スピンコーティング(遠心力を使った塗布)――の5つの作業を自動化した。コボッタプロを搭載した自律走行型搬送ロボットで工程間搬送も自動化した。
「ラボでは研究者が長時間の単純作業に追われることも多く、ロボット化のニーズが高まっている。今回展ではラボラトリーオートメーションの展示にも注力しており、デンソーの研究所の監修でリアルなラボを再現した」と澤田部長は強調する。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
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