取り出しロボットの技術を物流業界にも!パレタイジングロボットを初披露/スター精機
創業55周年迎える
スター精機は射出成形機用の取り出しロボットを中心に、コンベヤーやストッカーなど工場の自動化(ファクトリーオートメーション、FA)関連の装置を開発、製造、販売する。
射出成形機とは、プラスチックを成形加工する産業機械だ。
プラスチックの成形品は一般的に①ペレットと呼ばれる米粒状のプラスチックを熱で溶かし②溶かしたプラスチックに圧力を加え金型に流し込み③冷やして固めて④固めたプラスチックを取り出しロボットと呼ばれる自動化装置で取り出す――工程を経て作られる。
そのため、取り出しロボットは射出成形機には欠かせない周辺機器だ。同社は長年にわたり取り出しロボットを開発し続け、自動車産業や家電産業などを中心にプラスチックの生産現場の自動化に貢献してきた。
2019年には創業55周年を迎えた。周年記念を兼ねて、愛知県大口町の本社工場内のショールーム「STAR PLAZA(スタープラザ)」で、6月11日~13日の3日間にわたり商品説明会を開催した。商社や取り出しロボットのユーザーなど、3日間で約70人が参加した。
商品説明会では、高速駆動が特徴の取り出しロボット「ZPX-800」などの新製品や、独自のモノのインターネット(IoT)システム「Leanet-i(リーネットアイ)」などの最新技術を披露した。この他、07年に立ち上げた「アインツ事業部」が手掛ける、取り出しロボット用のハンド部品や垂直多関節ロボット用のハンド部品も一堂に展示した。
占有スペースを狭くできる
今回の目玉は、初披露の直交座標型のパレタイジングロボット「PXW1410RVIA」だった。参考出展ながら、来場者の大きな注目を集めた。
パレタイジングとは、段ボール箱などをパレット(荷台)に載せる作業を指す。
現在、製品の出荷現場などでは人手不足が深刻で、パレタイジングの工程を自動化するニーズが高まっている。同社はこれを受け、取り出しロボットの開発で培った自動化技術をパレタイジングにも応用した。
「異業種への提案として、パレタイジングロボットを初めて開発した。物流業界向けに提案したい。(参考出展なので)来場者の皆さまに実機を見てもらい、意見をもらえれば」と塩谷社長は話す。