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2023.04.28

「2024年問題」を見据えた提案続々/第4回関西物流展

大阪市住之江区のインテックス大阪で4月12日から14日までの3日間、「第4回関西物流展」が開催された。物流業界は、喫緊の課題である「2024年問題」や人手不足に頭を悩ませる企業が多い。2024年を間近に控えた今回展では、労働者の肉体的負荷や労働時間を減らせるよう、物流現場の省力化や省人化を推進する製品やソリューションを披露する企業が目立った。

出展規模や来場者数が過去最多に

開会式でのテープカット

 関西物流展は関西地方で最大規模の物流業界の見本市だ。4回目の開催となる今回展には361社が出展。小間数は933小間といずれも過去最多になった。来場者数は3日間で2万4134人と過去最高記録を更新した。
 関西物流展実行委員会の谷哲也実行委員長は主催者を代表して「物流業界は2024年問題を筆頭に、配送にかかるコストの高騰や人手不足など課題が山積みになっている。関西物流展がそれらの課題を解決する一助になればと願う」と話す。2024年問題とは、24年4月からドライバーの時間外労働時間の上限規制が適用されることで生じるさまざまな問題の総称。この危機が眼前にある状況で、出展企業各社は物流現場の省力化や省人化に寄与する製品やソリューションを披露した。

大規模な自動化デモを披露

スカイピッカーはAIでつかむ対象を学習できる

 フランスの物流ロボットベンチャー企業の日本法人、EXOTEC NIHON(エグゾテック・ニホン、東京都港区、立脇竜社長)は、自動倉庫システム「Skypod(スカイポッド)システム」や「Skypath(スカイパス)コンベヤーシステム」、多関節アームのピッキングロボット「Skypicker(スカイピッカー)」などを連動させたデモを出展した。

 入出庫シャトルと自律移動型搬送ロボット(AMR)を合わせたような機能を持つ「スカイポッドロボット」がスカイポッドシステムから出庫したコンテナをスカイピッカーまで運ぶ。運ばれてきたコンテナからスカイピッカーが商品をピッキングし、スカイパスコンベヤーシステムに置かれたコンテナに移し替える一連の流れを披露した。
 立脇社長は「スカイピッカーは人工知能(AI)を搭載しており、つかめるものとつかめないものを自己学習する。3Dカメラで搬送物を正確に認識できるため、ピッキング精度が高い」と語る。

人気タイプの実機を展示

カルーセルポートの入出庫口は人間の腰の高さほどで、立ち作業がしやすい

 ノルウェーのロボット自動倉庫メーカー、オートストアの日本法人オートストアシステム(東京都中央区)は、自動倉庫「オートストア」の「コンベヤーポート」の実機を展示。コンベヤーポートは「ビン」と呼ばれる専用コンテナをロボット1台で入出庫するシンプルなタイプだ。同タイプは前回展でも出展したが、今回展では「カルーセルポート」の実機を新たに出展した。
 カルーセルポートは2台のロボットがビンを入出庫するため、連続して作業ができるのが特徴。入出庫口が作業台のようになっており、出庫された製品のピッキングがしやすい。中村正明ビジネスデベロップメントマネージャーは「カルーセルポートはコンベヤーポートよりも入出庫の効率に優れており、オートストアシリーズの中で導入台数が一番多い」と話す。

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