HCIロボット・AIラボってどんなところ?/HCI
11月12日、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のHCI(大阪府泉大津市、奥山剛旭社長)は、南海電鉄泉大津駅前の複合商業施設「アルザタウン泉大津」内に、「HCIロボット・AIラボ」を開設し、開設披露会を開催した。開設披露会は新型コロナウイルスの感染防止のため、1時間当たり20人の入場枠を設け、原則1時間ごとの入れ替え制とした。同施設では協働ロボット9台を含む計17台を展示する。
協働ロボットを9台展示
ロボット導入について具体的な検討や検証をする人のために設けられたHCIロボット・AIラボには、産業用ロボット16台と受け付けロボット1台がそろう。 合計17台のロボットのうち半数以上の9台は協働ロボットだ。 会場入口から順に川崎重工業の「duAro(デュアロ)」、安川電機の「MOTOMAN(モートマン)-HC」、三菱電機の「MELFA ASSISTA(メルファ・アシスタ)」、デンソーウェーブの「COBOTTA(コボッタ)」、スイスに本社を置くABBの「YuMi(ユーミィ)」を見ることができる。 「これだけのバリエーションの協働ロボットを常設展示する場は、西日本では他にない」と奥山社長は話す。
ラボ入口で来場者の検温をするシステムは、デュアロの双腕にそれぞれ温度センサーと入場ゲートを取り付けたものだ。 川崎重工の6軸垂直多関節ロボットに、キーエンスのビジョンセンサーとニッタのソフトハンドを組み合わせたピック・アンド・プレースのシステムも、展示の見どころの一つ。ランダムに置かれた果物の模型をビジョンセンサーで認識し、特定の場所に並べ直す。位置認識後にロボットが動く経路の生成を自動化した。 来場者にとりうれしいのが、飲み物の自動提供システム。通常の垂直多関節ロボットと協働ロボットを並べ、一つのシステムとしてシステムインテグレーションしてある。ノンアルコールビールやビールを注ぐ際にコップを傾けたり、注ぎ切る時にビンを軽く上下に振る動作も巧みで興味深い。 また、HCIの祖業であるワイヤーやケーブルなどの製造業界向けに、ロボットを使ったケーブル加工システムも展示する。国際ロボット展2019に出展した、ロボットでケーブル加工とはんだ付けをする試作機も改良して展示しており、構造の工夫や開発の進ちょくについて質問する来場者も多かった。