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2022.06.23
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[注目製品PickUp! vol.43]ワークも爪もこれ1台、導入しやすいパッケージ/松本機械工業「Smart Terrace」

社長の「鶴の一声」で

パッケージシステムとして開発したスマートテラス
自社工場にも導入して自社製品の部品加工に使用

 スマートテラスの発売は昨年5月だが、それに先立って2020年夏ごろにはプロジェクトチームを結成してSIer事業に本腰を入れ始めた。  同社がSIer事業に参入したのは、実は松本社長の「鶴の一声」だった。その背景にはROBO-QJCなどの拡販の強化と、新型コロナウイルス禍による業績不振への危機感の2つがあったという。「既存事業と関連性のある分野で何か新しい事業に挑戦できないかと考え、たどり着いたのがSIerのビジネスだった」と松本社長は振り返る。  だが、SIerはさまざまな自動化ニーズに個別で対応する必要があり、ロボットシステムを構築して納入するまでに多くの工数がかかる。従業員の多くは「うちの陣容では無理だ」と反対した。  これに対し、松本社長はこう返した。「それならばパッケージシステムを開発すればいい」――と。

MEX金沢2022でもスマートテラスを出展

 こうして生まれたのがスマートテラスだった。新型コロナウイルス禍で展示会の開催が中止され、営業活動が制限された状況でも、ウェブセミナーや動画を駆使してPRに努めた。「スマートテラスを初披露する予定だった展示会がコロナで中止され、出鼻をくじかれた。だが、今年に入ってから引き合いが急速に増えつつあり、受注の実績も出始めた。時間はかかったが、SIer事業がようやく軌道に乗り始めた」と松本社長は分析する。  また、地元の金沢市で開催された機械工業展「MEX金沢2022」に合わせ、今年5月には自社工場にスマートテラスを導入して自社製品用の部品加工に使い始めた。MEX金沢2022でもスマートテラスを出展した他、会期2日目の5月20日にはワークショップも開催して機械商社の営業担当などに製品の特徴を詳しく解説した。  直近では、6月30日~7月2日にかけて愛知県常滑市の展示会場「アイチ・スカイ・エキスポ」で開かれる「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2022」にも出展する予定で、そこでもスマートテラスを大々的にPRする考えだ。  松本社長は「メインターゲットの中小企業に、スマートテラスが十分に認知されているとは言えない。そのため、自社工場やRTJ2022を通じて多くの人に現物を直接見てもらい、『これなら自動化できそう』との手応えを感じてもらえれば」と強調する。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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