生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2020.09.17

ロボットで次世代ライン、東京に展示場開設/チームクロスFA

ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などで構成されるチームクロスFAは9月10日、東京都千代田区に最新のロボットシステムを展示する「スマラボ東京」を開設した。デジタル技術を活用した、次世代型の組み立てシステムなどを展示する。

テーマはDX

都内に開設した「スマラボ東京」

 チームクロスFAは、ロボコム(東京都港区、天野真也社長)やFAプロダクツ(東京都港区、貴田義和社長)、オフィスエフエイ・コム(栃木県小山市、飯野英城社長)など、ロボットのSIerを中心に幹事会社7社で構成するグループだ。
 2018年に栃木県小山市にロボットとモノのインターネット(IoT)システムの展示場「スマラボ小山」を開設。これまでに1200社・団体が来場した。スマラボ東京は、小山に続く2つ目の展示場だ。

「革新者が集まる場に」と話す天野真也プロデュース統括

 スマラボ東京で提案するのは、デジタル技術やデータの活用で事業を変革するデジタル・トランスフォーメーション(DX)だ。

 「製造業のイノベーター(革新者)が集まる場にしたい」と同チームプロデュース統括の天野真也ロボコム社長は言う。

AGVで柔軟ライン

AGVに載せたままねじ締めなどの作業をする

 展示の目玉は「DX型ロボットジョブショップ」。部品の組み付けや、ねじ締め、検査など、単機能のロボットシステムを並べて組み立てラインを構築した。
 工程間の搬送には、コンベヤーではなく無人搬送車(AGV)を使う。コの字型のロボット架台の凹部分にAGVが入り込み、組み立てる製品を上に載せたまま各種作業をする。

 製造実行システム(MES)、各設備のシミュレーション、現実の各種設備が連携する。
 「組み立てる製品をAGVで個別に搬送するので、不要な工程を飛ばす、前の製品を追い越すなど自由自在。必要工程が異なる製品を同一ラインで生産できる」と技術統括の飯野英城オフィスエフエイ・コム社長は話す。

  • 実際の設備と同じ動きをするシミュレーション上の設備

  • 「前の製品を追い越すこともできる」と飯野英城技術統括

 その他、人工知能技術によりキャベツの千切りを定量つかみ上げるシステムや、コンビニ弁当を作るロボットシステムなども展示する。

「DXに対応できる製造現場を」と貴田義和ビジネス統括

 「製造業でDXの必要性が叫ばれ、さまざまなデジタルシステムが提案されているが、製造現場が従来のままでは対応できない。求められるのは、データやシミュレーションから導かれた最適解に追従できる生産システム」とビジネス統括を務めるFAプロダクツ貴田社長は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

TOP