爪交換パッケージシステムを開発! SIer事業を本格化/松本機械工業
導入や立ち上げを簡単に
松本機械工業は変種変量生産の自動化ニーズに応えるため、ロボットを使ったチャックの爪交換の自動化システムを18年ごろから本格的に提案し始めた。
従来は外部のSIerと協業しながら、顧客の要望に個別で対応していたが、非常に多くの工数がかかっていた。
そこで同社は、導入や立ち上げが簡単なパッケージシステムとしてAIOを開発した。爪を一つずつロボットで交換する「ROBO(ロボ)-QJC」をベースとし、爪交換とワークの脱着作業を自動化する。爪とワークがセットで収納された定形のトレーが複数あり、ロボットが順番にトレー内の爪やワークを工作機械に供給することで長時間の無人稼働を実現できる。
3年後には年30台以上
高松機械工業の複合旋盤「XT-8MY」と組み合わせたデモ(提供)
AIOのターゲットは、変種変量生産を手掛ける金属加工会社。
本来なら、21年5月20日~22日に金沢市で開催される展示会「MEX金沢2021」で初披露し、工作機械メーカーの高松機械工業製の複合旋盤「XT-8MY」とAIOを組み合わせて爪交換やワークの脱着を実演する予定だった。コロナ禍でMEX金沢2021は中止されたが、ウェブページや動画などで引き続きAIOのPR活動に取り組む。
今後はAIOのラインアップ拡充を視野に、プロジェクトチームが主体となって技術開発を進める考えだ。桑本本部長は「1年後にはSIer事業を軌道に乗せたい。3年後には開発やサービスの体制も整え、AIOを年間で30台以上販売できれば」と展望を語る。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
※この記事の再編集版は、設備財や工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)の専門誌「月刊生産財マーケティング」2021年5月号でもお読みいただけます。
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