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2019.03.22

チャックの爪の交換はロボットに【前編】/松本機械工業

松本機械工業(金沢市、松本要社長)は、チャックや回転テーブルなどの工作機械の周辺機器を製造、販売する。チャックとは旋盤(回転する加工物に刃物を押し当てて加工する工作機械)に必須の機器で、一般的に3つのジョー(爪)でワーク(被加工物)をしっかりと固定する役目を持つ。チャックの爪は従来、人が手作業で交換していた。これに対し同社は、最近の深刻な人手不足に対する解決策(ソリューション)として、次のような提案に力を入れる。爪の交換はロボットにお任せあれ――と。

2製品を軸にPR

 松本機械工業は現在、チャックの爪交換の自動化ソリューションを積極的に提案している。
 主に①ロボットが爪のみを交換するタイプのクイック・ジョー・チェンジ(QJC)チャック「ROBO-QJC」②ボディーが2つに分割された構造で、交換プレートを爪ごと一気に交換するタイプのオート・ジョー・チェンジ(AJC)チャック――の2製品を軸に、ロボットを使った爪交換の自動化をアピールする。

ノブをひねるだけで交換

爪のみを交換できるQJCチャック

 チャックとは旋盤に使われる機器で、爪でワークをしっかりと固定する役目を持つ。爪の数は一般的には3つが多く、特殊仕様で1~6つの爪が使われることもある。

 爪の交換は一般的に、人が作業工具を使って手作業で実施する。
 これに対し、同社はこれまで「QJCチャック」として、チャック本体に備え付けられたノブをひねるだけで簡単に爪を取り外せるチャックを提案してきた。工具を使う必要がなく、爪交換の手間を大幅に軽減できる。

ROBO-QJCのデモ(松本機械工業提供)

 ノブをひねるだけとはいえ、従来仕様のQJCチャックでは爪の交換に人手が要る。しかし、最近は製造業を含めさまざまな産業で人手不足が深刻だ。
 そこで、爪交換の役目をロボットが担うタイプのQJCチャック「ROBO-QJC」を開発。爪交換の自動化を実現した。

 ROBO-QJCの開発に合わせ、専用のロボットハンドや爪のストッカーも独自で設計し、製造する体制を整えた。
 ワークの形状に合わせて成形した爪を複数種類用意し、自動交換すれば、複数の異なるワークを加工する場合でも、人が爪交換に手間を取られることがなくなる。ロボットがワークの搬入出から爪交換まで全て対応すれば、長時間の無人運転も可能だ。

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