[国際ロボット展 特別リポートvol.5]新製品・新ブランド続々/不二越、芝浦機械、伊藤忠マシンテクノス、オカムラ
回り込める7軸ロングアームの協働ロボ/伊藤忠マシンテクノス
伊藤忠マシンテクノス(東京都千代田区、本郷義昭社長)は、デンマークに本社を置くカッソーロボットの7軸制御の協働ロボットを出展。鉄道車両の台車の点検整備をイメージした稼働デモを披露した。
1800mmの広範囲なリーチが特徴の7軸ロボットで、従来の6軸ロボットでは不可能だった狭い箇所やアームを回り込ませての作業もできる。専用ハンドを使用すれば、電気配線やエアー配管をロボットアーム内に収納できる。
伊藤忠マシンテクノスの増田正美執行役員は「鉄道車両の台車の点検整備は人手でされているが、堀のように地面を切り込んだ所に潜り込んで上を見上げるので、負担が大きい。潜り込み、回り込めるカッソーロボットなら、台車の入り組んだ箇所まで自動で点検ができる」と話す。
ピッキングロボを自社開発/オカムラ
物流の自動化機器を販売するオカムラは、自社開発の双腕ロボット「PROGRESS ONE(プログレス・ワン)」を参考出展した。プログレス・ワンはピッキング作業用のロボットで、片腕7軸の腕が2本と、人間の腰にあたる回転軸が1つで、合計15の制御軸を持つ。
通常稼働時には、人工知能(AI)やカメラなどを組み合わせて、乱雑にケースに入った対象物を自動で取り出す「ばら積みピッキング」をする。ただ、ばら積みピッキングが難しい対象物の場合は、ロボットが判断して制御室にいる人間による遠隔操作に切り替える。
遠隔操作は市販のゲームコントローラーでロボットを操作する「ゲームコントローラーモード」や、センサーを使って人の動きを再現する「モーションキャプチャーモード」などを備える。
担当者は「自動で作業するのが難しい時だけ、作業者がロボットを支援する。人が直感的に操作しやすいよう、双腕で関節軸も人体に近い構造をロボットに取り入れた。物流業界で在宅勤務や、諸事情で家から外出できない人の新たな雇用を創出する可能性も秘める」と話す。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史、西塚将喜)
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