2020.11.02
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FA向けに注力! 工場やAGVに「目」を付ける/キヤノン

映像からデータ化

バーコードや数字などを1台のカメラで認識(画像はビジョンエディションU)

 工場内のさまざまな物事を手軽にデータ化できる画像処理ソフト「Vision Edition(ビジョンエディション)」のラインアップ拡充や拡販にも力を入れる。工場の天井などに設置するネットワークカメラや、ロボットアームの手首に取り付ける産業用カメラなどと組み合わせて使うソフトだ。  資材に付けたバーコードや2次元バーコードなどを読み込んで、個数や種類などをチェックできる。また、設備のアナログメーターや、重量計などの計測機器の表示の読み取り、組み立て工程で部品の取り付け漏れがないかのチェックもできる。

ビジョンエディションはロボットのカメラとセットでも使える

 「映像データをそのままモノのインターネット(IoT)基盤上に載せると容量が大きくなりすぎるが、画像処理で意味のあるデータだけ抽出すれば扱いやすい」と枝窪副事業本部長は言う。その他、ロボットで物をつかみ上げて所定の位置に置くピック&プレース作業の対象物認識にも使える。  ビジョンエディションを発売したのは18年だが、昨年10月にはデンマークのユニバーサルロボット製協働ロボットと連携させやすい「ビジョンエディションU」を発売。昨年末にはデンソーウェーブ(愛知県阿久比町、中川弘靖社長)の小型協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」に内蔵する「ビジョンエディションC」もラインアップに加えた。

「『工場の目』を提供していきたい」と話す枝窪弘雄副事業本部長

 「多用途に使え、アナログな既存設備にも後付けしやすいなど、ビジョンエディションと協働ロボットは共通点が多く、親和性が高い」と枝窪副事業本部長は言う。  「日本の製造業は優れた技術を持つが、光学的な技術やノウハウまで保有する企業はあまりない。われわれの技術が活用できる場面はまだまだある。多様なメーカーと協業し、『工場の目』を提供していきたい」と枝窪副事業本部長は言う。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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