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2021.07.14

[注目製品PickUp! vol.36]産ロボ特化で簡単立ち上げ・高コスパ【後編】/コグネックス「AlignSight」

コグネックスのビジョンシステム「AlignSight(アラインサイト)」は、産業用ロボットや自動で位置決めができる可動式ステージ(自動ステージ)と組み合わせて使う専用のビジョンシステムだ。前編ではその機能や特徴を紹介した。後編では、同社の技術的な強みや、本社併設のショールーム「コグネックスラボ」の展示システムを通し、同製品の特徴を深掘りしていく。

パターンマッチングの先駆者

 コグネックスの「AlignSight(アラインサイト)」は、ロボットアームの先端や、ロボットシステム上部のフレームなどに取り付けて使用するビジョンシステムだ。

 「作業対象の部品・製品がある位置にロボットアーム先端のツールを動かす」といった、誘導機能に特化。指定した形状を見つけ出す「パターンマッチング」と、現物合わせでプログラムの座標を補正する機能のみを搭載する。
 「ロボットや自動ステージと組み合わせて使うなら、その機能だけでほぼ全ての用途をカバーできる。機能を絞っているため安価だが、必要な機能については最上位機種と同じアルゴリズム(データの処理方法)を採用しており、高性能」と日本法人のグローバルソリューションズ・プロダクトマーケティング部門の磯部龍樹シニアマネジャーは語る。

パットマックスで対象物のパターンマッチングができる

 同社は、「各画素の明るさ比較」で物体を認識することが主流だった時代から、対象物の幾何学形状を抜き出して照らし合わせるパターンマッチングに取り組んできたパイオニア。
 独自のアルゴリズムを使ったパターンマッチング機能を「PatMax(パットマックス)」と名付け、米国などで特許も取得している。

背景や照明に左右されずに認識できる

 背景が紛らわしかったり、対象物の一部しか見えなくても指定された物体を認識できる。実際の現場では1日の中で明るさなどの環境が変化するが、それでも安定して認識できるという。
 「コグネックスはファクトリーオートメーション(FA=工場自動化)分野に進出する前は、半導体製造装置向けに製品を提案していた。半導体業界では装置に不具合があって生産に影響が出ると、莫大な損害賠償を請求される恐れがある。その半導体業界で磨かれた認識の安定性や製品の信頼性には絶対の自信がある」と磯部シニアマネジャーは言う。

 そうした技術的な強みがロボット業界から評価され、以前から同社の製品はロボットアームの誘導用途に使われてきた。ビジョンシステムを組み込んだロボットシステムが増える中で、もっと簡単に組み込めるよう2019年にアラインサイトを開発した。

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