2026.03.27
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新工場を竣工。協業で新たな道を切り開く/スターテクノ

自動車業界向けの産業用ロボットシステムを得意とするロボットシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のスターテクノ(愛知県大口町、塩谷陽一社長)は1月、新本社工場を竣工(しゅんこう)した。新工場はグループ各社が拠点を構える地に建設した。拠点の集結で社員同士のコミュニケーションを円滑にし、シナジー(相乗効果)を生み出して汎用性が高い新製品の開発や新規顧客の開拓につなげる狙いだ。

(平川一理:ロボットダイジェスト編集部

グループの拠点が集結

スターテクノの新本社工場は1月から稼働を開始

 スターテクノは1月、新本社工場を竣工した。建屋は地上3階建てで敷地面積は1万1320㎡。1階には機械加工や組み立てエリアを配置する。2階には射出成形機用の取り出しロボットを手掛けるスター精機(愛知県大口町、同社長)をはじめとする、グループ企業の製品を一堂に紹介するショールームを設けた。3階のオフィススペースには営業や管理、技術部門などの機能を集め、部門を横断するコミュニケーションを促す設計とした。

 加工エリアは各作業工程の流れに合わせて加工機や作業場の設置場所を見直し、従来と比べて作業導線を改善した。組み立てエリアも同様に作業効率の向上を図り、従業員が工場内の移動に要していた時間を大きく削減。設備面ではオークマの5面加工機を新たに導入し、加工効率も高めた。

 同社が新拠点を建設したのは愛知県小牧市から大口町にまたがるエリアだ。このエリアにはスター精機や樹脂部品メーカーの国盛化学(愛知県小牧市、同社長)、モノのインターネット(IoT)製品を開発するステルテック(愛知県小牧市、同社長)などのグループ各社が本社を置く。スターテクノが従来の同岩倉市から工場を移設した背景には、これらグループの協業を一層強める狙いがある。

 塩谷陽一社長は「グループの拠点を集結して社員同士の距離を縮めることで、コミュニケーション不足による認識の齟齬(そご)や情報の滞留を防ぎ、連携の強化につなげたい」と強調する。

シナジーを生かす

「グループのシナジーを生かしたい」と話す塩谷陽一社長

 塩谷社長はグループ各社の社長を兼任しており、近年はグループ間の協業を主導する。

 「一品物の自動化システムを得意とするスターテクノと汎用品を手掛けるスター精機、両社のノウハウを組み合わせればシナジーを生み出せる。汎用品などの共同開発を通じて連携を深め、グループ全体で新たな道を切り開きたい」と塩谷社長は力を込める。

 展示会でもグループのシナジーを生かした提案に注力する。スターテクノは自動車部品を加工する自動化システムを得意とする他、段ボールを組み立てる製函(かん)や封をする封緘(かん)を自動化するシステムの構築に強みを持つ。また、スター精機は段ボール箱をパレタイジング(積み付け)する直交ロボットシステム「ロボットパレタイザー」を開発し物流現場を中心に提案力を高めている。

 2025年12月に東京で開催された「2025国際ロボット展(iREX2025)」では両社が協業して段ボールの組み立てからピッキング、パレタイジングまでの一貫した自動化ソリューションを披露し、来場者の注目を集めた。

ワンストップで自動化提案

ショールームにはスターテクノとスター精機が共同で自動化ソリューションを展示

 グループ協業の象徴となるのが、今年4月の公開に向けて準備を進めるショールームだ。スターテクノのロボットシステムやスター精機の直交ロボット、ロボットパレタイザーの他、国盛化学やステルテックの製品も展示する。

 塩谷社長は「直交ロボットや垂直多関節ロボットなどを組み込んだ幅広い自動化システムを展示し、ワンストップで自動化を提案できる強みを体現した」と説明する。

 また、ショールームに隣接するテストルームでは、顧客が対象物(ワーク)を持ち込んでテストを実施できる。加えて、産業用ロボットの安全教育を実施する「スタースクール」も開講する。直交ロボットや垂直多関節ロボットなど、多様な種類のロボット講習に対応しているのが両社らしい特徴だ。

 現在、スターテクノとスター精機は共同でプロジェクトチームを立ち上げ、新製品の開発に着手する。

 塩谷社長は「注目する市場の一つは物流業界。物流現場の人手不足は国内外を問わず一層深刻化している。物流と一言で言っても段ボールの供給や製函、封緘、開封、パレタイジング、デパレタイジング(積み降ろし)など自動化の需要はさまざま。その中で、グループ各社がそれぞれの知見を融合して新製品を開発し、ゆくゆくは新たな産業分野へ顧客を広げたい」と期待を寄せる。

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