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2022.01.31

連載

[SIerを訪ねてvol.21]「加工」で自動車メーカー開拓/スターテクノ

ロボットシステムを設計、製作するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する「SIerを訪ねて」。21回目は、自動車業界向けのロボットシステムに強みを持つスターテクノ(愛知県岩倉市、塩谷陽一社長)を紹介する。樹脂成形品に穴を開けたり、トリミングしたりする「加工」のアプリケーション(使い方)を得意とし、取引先には誰もが知る大手自動車メーカーが名を連ねる。内製比率が高く、システムの企画からアフターサービスまでの一連の工程を一貫して担えるのが特徴だ。

接着剤塗布のシステムに注力

 今回訪問したスターテクノは、名鉄犬山線の岩倉駅から車で5分ほどの場所に本社を構える。
 自動車業界向けのロボットシステムが主力のSIerで、主な取引先にはトヨタ自動車をはじめ、ホンダ、日産自動車、マツダ、SUBARU(スバル)、スズキなどの大手自動車メーカーが名を連ねる。

 得意なアプリケーションは「加工」。バンパーに2次加工するロボットシステムや、インストルメントパネル(インパネ)のトリミングをするロボットシステム、樹脂部品のバリ(部品の縁などにできる小さな突起物)を除去するロボットシステムなど、さまざまなシステムを手掛ける。ロボットシステムだけではなく、加工や搬送、検査、印字用のレーザーマーキングまでの一連の工程を自動化する生産システムを構築した実績もある。

  • ドイツのイエナオプティクス製のレーザー加工システムも取り扱う

  • 提案に力を注ぐ接着剤の塗布システム

 この他、プラスチックや複合素材、ゴムでできた工業用シート材を切断する装置や、熱で溶かして接合する「ホットメルト接着剤」を塗布する装置も製作する。ベルトコンベヤーやパレットチェンジャーなどのファクトリーオートメーション(FA)機器の相手先ブランド生産(OEM)も担う。

 「人手での単純作業を自動化したい」との思いから、最近提案に注力するのが樹脂部品に接着剤を塗布するロボットシステムだ。従来は作業者が樹脂部品にプライマー(下塗り材)を塗ってから両面テープを貼って接合していたが、その工程をロボットに置き換えることで自動化や省人化を図る。

 営業部営業課の山本真也課長代理は「自社の工場に行くたびに、製造しているシステムや装置が変わっている。顧客からも『いろいろなことをやっている』と言われることが多い」と話す。

全社員でサポート

  • スターテクノ会社概要(提供)

  • スターテクノが手掛ける製品群(提供)

 同社の強みは、企画から構想設計、機械設計、電気設計、ティーチング(ロボットに動作を覚えさせること)、組み立て、調整、アフターサービスまでの一連の工程に一貫して対応できること。特に機械設計の部隊は手厚く、100人いる従業員のうち17人が機械設計に従事するという。
 工場には工作機械も設備しており、ロボットシステムや生産システムに使用する部品も内製する。内製比率を高め、システム製作のコストダウンや短納期化を図る狙いだ。
 山本課長代理は「顧客の疑問や不安には全て社内で対応できる。営業だけが顧客と接するのではなく、全社員でサポートに当たって満足度の向上に取り組む」と強調する。
 
 技術的に可能だと判断すれば難しい案件でも最後まで挑戦し、システムが稼働するまで顧客と伴走する――。こうした姿勢が評価され、自動車メーカーを中心に顧客層が広がった。「『また一緒に仕事がしたい』とファンになる顧客も多い」と山本課長代理は述べる。

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