2026.08.26
★お気に入り登録

[特別企画 第5回高校生ロボットSIリーグに迫るvol.3]全体の底上げにつながる支援を/興和オプトロニクス

「第5回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(高校生ロボットSIリーグ)」の開催日まで、残り4カ月を切った。ロボットダイジェストでは「特別企画」として参加校やサポーター企業に取材し、第5回大会に迫る。vol.3では前回に引き続き、サポーター企業への取材を通じて、本大会の意義や価値を明らかにする。前回大会で初参加し、今年もサポーター企業に名乗りを上げた興和オプトロニクス(名古屋市中区、三輪尚巨社長)は、どのような思いを持って第5回に臨むのか。

水野敦志:ロボットダイジェスト編集部

前回の最優秀賞校の名サポーター

システムの搬入などもサポーター企業の役割

 将来有望な高校生が、約8カ月の期間でロボットシステムを組み上げ、会場でその完成度を競うのが高校生ロボットSIリーグだ。今年は12月12日と13日の2日間、愛知県常滑市の展示会場「Aichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ、愛知県国際展示場)」で開催される。
 主体となるのは高校生だが、ロボット業界の第一線で活躍するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)がサポーター企業となり、本番まで彼らをアシストする。今回大会でも、計22校の参加校に対し1社ずつサポーター企業が付く。

 今回取り上げる興和オプトロニクスは、主要3事業の1つにシステムインテグレーション事業を持つ。半導体や三品(食品、化粧品、医薬品)産業などを中心に、自動化システムのコンサルティングから構築まで一貫して手掛ける。
 初参加の前回大会では、競技部門で最優秀賞に輝いた蔵前工科高等学校のサポーター企業を務めた。今年も再び同校のサポーター企業として、2年連続の最優秀賞を目指して力を尽くす。

失敗は貴重な経験

 本番までの期間8カ月の折り返しに差し掛かった今年8月、同社のSIer事業の拠点である、東京都武蔵村山市の事業所を訪れた。同社の取締役で、システムインテグレーション事業部の桑原伸一郎事業部長に、高校生ロボットSIリーグにかける思いについて質問をぶつけた。

興和オプトロニクスはパレタイジングシステムなどを手掛ける

 記者「御社から見て、高校生ロボットSIリーグとはどんな大会でしょうか」

 桑原事業部長「高校生にとって非常に貴重な経験の場と感じています。本番までの期間では、トライアル&エラーを何度も繰り返し、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回すことになります。社会でもそうした試行錯誤は大事とされますが、仕事上で失敗できる環境はそうありません。高校生のうちにこの経験を積むことで、挑戦するマインドが養われる点で、大いに意義があります。実際に手を動かしてロボットシステムを構築する機会としても貴重ですね」

 記者「この8カ月間が、将来の成長にもつながると」

 桑原事業部長「本番に向けた活動を重ねる間に、積極性や社会性がみるみる向上する生徒もいます。成長しているのは生徒たちだけではなく、当社の社員も業務への向き合い方が変わるなど、良い刺激を受けています。そうした点から今年もサポーター企業への参加を決めました。それから、高校生の中にはわが社のインターンシップに参加し、いずれ入社したいと言ってくれている生徒もいて、業界の活性化や認知度向上になっているとの実感もあります」

全体の底上げを目指す

画像処理や人工知能(AI)に関する技術的な知見も深い

 記者「実際に高校生と関わる中で、意識していることはありますか」

 桑原事業部長「サポーター企業の立場ですから、一方的に教えるティーチングではなく、彼らが自ら考えるのを手伝うコーチングとなるよう心がけています。基本的には生徒たちの自主性を重んじ、課題に直面して助けを求められたときにサポートします。失敗から何も得られないような、よほど悪い方向に向かっている時でなければ、あえて止めることはありません」

「高校生にとって非常に貴重な経験となる」と話す桑原伸一郎事業部長

 記者「そうした教え方が、前回大会での最優秀賞の秘訣(ひけつ)に感じます」

 桑原事業部長「昨年の結果は非常にうれしいものでしたが、サポーター企業の目的としては、いかに参加者の成長を促すかの比重が大きいです。またどこか1つの高校だけが突出するのではなく、全体の底上げをすることが業界の発展にとっても重要です。そのためサポーター企業同士で定期的にオンライン会議を実施しており、各校の進行度や課題などを話し合っています。その場で効果的な教え方などのノウハウも共有し合うことで、全体の底上げを目指しています」

 記者「本番に向けて、残りの期間でどうサポートしますか」

 桑原事業部長「これまでは生徒たちがさまざまなアイデアを考案していましたが、ここからは12月までの期間をいかに有効活用できるか、計画性が問われる段階になります。コーチングの姿勢は維持しつつも、より良いシステムを構築できるようサポートしていければと思います。生徒たちにとっては当然、最優秀賞を目指すのが大きなモチベーションになるでしょうし、先ほどの発言と変わってしまいますが、われわれとしてもやはり最優秀賞を意識してしまいますね(笑)。高校生ロボットSIリーグを盛り上げ、より大規模なイベントになるよう取り組みます」

 記者「貴社の思いと、高校生ロボットSIリーグのすばらしさが伝わりました。ありがとうございました」

 

担当記者からのおすすめ!
〇[特別企画 第5回高校生ロボットSIリーグに迫るvol.2]認知度を高めるチャンスに/バイナス
〇[特別企画 密着! 第4回高校生ロボットSIリーグvol.1]オファーは突然に/愛知総合工科高校

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE