[特別企画 第5回高校生ロボットSIリーグに迫るvol.2]認知度を高めるチャンスに/バイナス
「第5回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(高校生ロボットSIリーグ)」が今年12月12日と13日に愛知県で開催される。ロボットダイジェストでは「特別企画」と称して参加校やサポーター企業に取材し、第5回大会に迫る。今回は高校生ロボットSIリーグの“陰の主役”ともいえるサポーター企業に焦点を当てる。システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のバイナス(愛知県稲沢市、下間篤社長)を訪ね、同社が第1回大会から継続的にサポーター企業を務める理由やメリットなどを聞いた。
SIerは“陰の主役”
高校生ロボットSIリーグとは、高校生が課題やテーマに沿ったロボットシステムを約8カ月かけて構築し、その出来栄えを競い合う大会だ。5回目を迎える今回は今年12月12日と13日の2日間にわたり、愛知県常滑市の展示会場「Aichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ、愛知県国際展示場)」で開催される。
大会に臨む高校生の多くは、ロボットの知識がない状態からロボットシステムを構築する。中には、出場を機に初めてロボットに触れる高校生もいるだろう。
そのため高校生ロボットSIリーグでは、ロボットシステムの構築を専業とするSIerをサポーター企業として各参加校に割り当てている。経験豊富なSIerのエンジニアがロボットの操作方法の指導や技術的な助言を担い、高校生の約8カ月の挑戦を後押しする。
これまで4度にわたり、参加校はハイレベルなロボットシステムを会場で披露し、最優秀賞の栄冠を目指して熱戦を繰り広げてきた。ここまで大会が盛り上がるのもSIer各社の伴走支援があるからこそで、そう考えるとサポーター企業は高校生ロボットSIリーグの “陰の主役”といえよう。
理念に強く共感
記者「御社は第1回大会からサポーター企業を務めています。どうしてサポーター企業をやろうと思ったのですか」
大橋取締役「わが社はSIerの事業の他、大学や工業高校などの教育機関にFA(ファクトリーオートメーション、工場自動化)関連の実習装置を販売する事業も展開しています。『人づくり』と『モノづくり』を通じて社会に貢献することを使命に掲げ、次代を担うロボット人材の育成にかねて取り組んできた経緯があるため、高校生ロボットSIリーグの理念にも強く共感できました。こうした背景から、サポーター企業を継続的に務めています」
記者「具体的にはどんな支援をするのですか」
大橋取締役「ロボットの基礎知識の解説や操作方法の指導、技術的な助言などを担います。大会前には高校生が組み上げたロボットシステムの動作確認にも立ち会います。ただ、わが社はあくまでサポーターの立場ですから、基本的には高校生の自主性を尊重するよう意識しています。もちろん聞かれた質問にはしっかりと回答しますし、アドバイスを求められれば対応しますが、こちら側からどこまで踏み込むべきか毎回悩みます」
やりがいを再認識
記者「通常業務と並行しながら、約8カ月間の伴走支援するのは大変です。それでもサポーター企業を務めるメリットは?」
大橋取締役「直接的なビジネスにつながるわけではありませんが、高校生と一緒に一つの物事を進める機会は通常のビジネスだとなかなか得られません。これまで関わってきた高校生は優秀でしたし、何より楽しそうに大会に参加していました。そういう姿を目の当たりにすると、『SIerの仕事は面白い』とやりがいを再認識できます。高校生ならではの自由な発想も面白く、毎回刺激を受けています」
記者「採用活動にも良い影響がありそうです」
大橋取締役「その通りです。会社が持続的に成長するには新しい人材を雇用し続ける必要がありますが、そのためにはいかに自社の露出を増やすかが重要です。高校生ロボットSIリーグは“ダイヤの卵”といわれる工業高校や工科高校の生徒とじかに接することができるため、自社の認知度を高める貴重なチャンスでもあります。珍しい例かもしれませんが、高校生ロボットSIリーグがきっかけでSIerの仕事に興味を持ち、わが社に入社した社員も2人います」
記者「第5回大会では岐阜工業高校と甲府工業高校を支援します。両校に期待することは?」
大橋取締役「岐阜工業高校は第2回大会で最優秀賞を獲得して以来の出場となります。2度目の最優秀賞を目指し、いろいろなことに挑戦してほしいです。また、甲府工業高校は第4回大会に続く2度目の出場です。先生も生徒も熱心ですから、今回も大会を楽しんでほしいですね」
記者「サポーター企業の役割やメリットが分かりました。ありがとうございました」
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