[特別企画 ロボット切削の最前線 vol.1]大型工作機械を補完する“新たな選択肢”に
ロボットが加工対象物(ワーク)を切削加工する「ロボット切削加工」に今、熱い視線が注がれている。ロボット切削加工システムはアルミ合金などの大型ワークの軽切削に適しており、近年は日本でも新規プレーヤーの参入が目立つ。大型工作機械ではカバーし切れなかった領域を補完する新たな選択肢として、今後も注目を集めそうだ。そこで、ロボットダイジェスト編集部は、ロボット切削加工システムの可能性や今後の動向を計4回にわたって取り上げる特別企画を実施する。
門形MCよりコンパクトに
スピンドル(主軸)と切削工具を備えたロボットが、アルミ合金などの大型ワークを軽快に切削――。
昨年12月に東京都内で開かれたロボット専門展「2025国際ロボット展(iREX2025)」でも、こうしたデモが複数の出展者のブースで見られ、多くの来場者の関心を引き付けた。これらは「ロボット切削加工」や「ロボットマシニング」と呼ばれる、ロボットのアプリケーション(応用事例)の一つだ。
ロボット切削加工システムは特に、アルミ合金の大型ワークの軽切削に力を発揮する。大型ワークの加工には一般的に門形マシニングセンタ(MC)をはじめとした大型工作機械が使われるが、コストや設置スペースの問題もあり、そう気軽に導入できるわけではない。また、寸法精度がさほど厳しくないワークでも、門形MCを使えば要求以上に高い精度で加工できるため、オーバースペックになるとの懸念もある。
一方、ロボットは門形MCと比べると、加工精度も加工スピードも剛性も劣る。だが、ロボットは自由度の高さが大きな特徴で、このメリットを生かせば門形MCよりもコンパクトにシステムを構築できる上に、導入コストも大幅に削減できる。
つまり、ロボット切削加工システムは大型工作機械と市場を食い合うわけではなく、大型工作機械ではカバーし切れなかった領域を補完する“新たな選択肢”となる存在だといえる。
日本でも新規プレーヤーが続々と
ロボットや工作機械の主要ユーザーである自動車業界では、大型アルミ部品を一体成形する「ギガキャスト」などの新技術が台頭しており、ロボット切削加工システムに適した大型ワークが増えつつある。こうした流れもあり、近年はロボット切削加工システムの分野に進出する企業が目立つ。
もともと欧州勢が先行していたが、日本でも工作機械メーカーや自動車向けを得意とするシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)といった新規プレーヤーが続々と登場し、新商品開発やシステム開発にこぞって力を入れ始めた。今年6月に愛知県内で開催されるロボット専門展「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2026」でも、複数のロボット切削加工システムの展示が期待できそうだ。
そこで、ロボットダイジェスト編集部は「ロボット切削の最前線」と銘打った特別企画を実施する。ロボット切削加工システムの技術開発や市場開拓に努める3社の事例を取り上げ、ロボット切削加工システムの可能性に迫った。
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