[iREX2025レポートvol.6]金属加工の自動化・ロボット化を提案
「2025国際ロボット展(iREX2025)」には、金属加工の現場向けのアプリケーション(応用技術)提案もあった。大型部品の加工への対応や、板金加工の自動化、機械工具を使った人手作業からロボット化への提案など、注目度の高かった取り組みをピックアップした。いずれも来場者の熱い視線を集めていた。
ロボットマシニングを訴求/スギノマシン
スギノマシン(富山県滑川市、杉野岳社長)は「ロボットマシニングシステム」を披露し、産業用ロボットで高精度な切削加工ができることを訴求した。
同社製のロボット・マシニング・ユニット「SELFEEDER DUO Robot Edition(セルフィーダー・デュオ・ロボットエディション)」を産業用ロボットの先端に取り付け、最高で毎分60mの速度の走行軸などの付帯設備や周辺機器を合わせて切削加工システムに仕上げた。
従来の大型マシニングセンタでは対応が難しい大型・長尺部品の切削加工や、多品種少量生産への対応に最適化し、柔軟性や設置しやすさ、コスト面などの課題解決につなげるという。会場では迫力あるデモに足を止めて見入る来場者が多かった。システム仕様は顧客の要望に合わせて柔軟に対応するという。
自動車や航空宇宙、建設資材などの大型部品での採用を見込んでおり、「機械加工のプロが『ロボット加工』を見直し始めている」と担当者は手応えを語る。
また、ロボットバリ取りセル「RDM-S」も展示。刃具を一定の圧力で対象物(ワーク)に押し付けるフローティング機構を備えたロボット向けバリ取り用ツール「BARRIQUAN(バリカン)」を使ったデモなどで来場者を集めた。同社のバリ取り研究所「デバラボ」の武藤充所長は「ロボットバリ取りへの関心は非常に高い」と話す。
曲げや溶接の自動化を提案/アマダ
板金加工でもロボットを使った自動化や作業の高度化、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの取り組みが活発だ。
アマダは、ロボットを使用したベンディング自動化システム「EGB1303ARse」、同じくロボットを使ったファイバーレーザー溶接システム「FLW3000ENSIS(エンシス)e」、工程間の搬送を自動化する自律搬送型ロボット「AMTES(アムテス)」を披露した。また製造DXソリューション「LIVLOTS(リブロッツ)」を使用し、それらの工程全体を可視化できる点も訴求した。
来場者は丁寧なプレゼンテーションに耳を傾け、熟練作業を自動化するベンディングや、自動化が特に難しく他工程よりも遅れている溶接工程のロボット化、磁気テープなしの自律搬送などのデモを熱心に見つめた。
最小クラスのコントローラーを出展/ダイヘン
ダイヘンは、「新小型コントローラ」(仮称)を参考出展し、本コントローラーを使った協働ロボットシステムのデモで来場者の関心を引いた。
同社製の8kg可搬の協働ロボット「FD-VC8」と走行軸を使い、2つの加工工程セルを1台で自動化するもので、導入コストの低減を訴求した。ワークの補充や回収といったマシンテンディングをはじめ、それに伴う扉の開け閉めもロボットが行う。加工機は箱型の模型で表したが、来場者には十分イメージしやすいデモだった。
また、センサーで感知して人が近くにいる際は「協働モード」、それ以外は「高速モード」で協働ロボットを動かせるため、タクトタイムを短縮できる。本コントローラーは、同社従来比75%の体積を低減した最小クラスで、人工知能(AI)チップを搭載して自律化を実現するなど、その先進性をアピールした。
自社製品を組み合わせたデモを披露/SMC
SMCは、協働ロボットを使ったマシンテンディングのデモを披露した。
ロボットハンドや周辺機器をSMC製品で構成し、アプリケーションとしてパッケージ提案。安全対策や制御を訴求した。
例えば、振れを低減して把持精度を向上できる薄型エアチャックと、「安心センサー」と呼ぶ微差圧センサー、小型位置センサーなどを組み合わせてエンドエフェクター部分を構成した。「爪は3Dプリンターで中空構造の軽量タイプを製作した。ロボット本体だけでなく爪先に触れただけで停止できる高感度な安全対策を提案できる。まず社内設備として生産技術部門で開発したものを披露し、自社製品の魅力をアピールした」と担当者は話す。