[iREX2025リポートvol.16] 西日本のロボット業界も開発盛ん/周辺機器・SIer編
京都や大阪などの都市には家電などの製造業が集積し、それに合わせて多くの周辺機器メーカーやシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が開発を競っている。国際ロボット展(iREX)の会場では明確なターゲットを持った具体的な展示が目立ち、出展者はPRに努めた。
大手のロボット技術の開発は着実に
大阪市で創業し今も大阪府内に多くの拠点を置くパナソニックグループ。溶接を中心にロボット技術の開発や提案をするのがパナソニックコネクト(東京都中央区、樋口泰行社長)だ。同社は、ロボット制御プラットフォーム「Robo Sync(ロボシンク)」を展示の目玉に据えた。ロボシンクはメーカーを問わず複数のロボットを制御できるのが特徴で、会場では複数の協働ロボットの動作を制御するデモを披露した。
「SIerの開発にかかる負荷を抑えることが念頭にあるが、プログラミングなどの知識がなくても扱えるノーコードツールのためエンドユーザーでも操作しやすい」とパナソニックコネクトのSaaSビジネスユニット牛島敏ビジネスユニット長は話す。
他にも、SIer向けに「ロボット導入プランナー」を提案。自動化したい作業内容を入力するだけで生産性、コストの評価などができるようになる。
京都市に本社を置く京セラも、西日本を代表する企業の一つ。目玉となる提案が、高精度な近距離測距カメラを用いた実演だ。手のひらサイズながら深度計測の誤差は0.25mm未満を実現し、従来画像認識が困難だった半透明や黒色、光沢のある小物、コネクターの突起なども正確に認識する。ブースでは手のひらサイズ以下の歯車やねじ、樹脂部品などを認識するデモを披露した。担当者は「ねじの頭の位置のわずかな違いを認識できるため、ねじのゆるみを検知することもできる。実際にそういった用途の引き合いもある」と手応えを語る。
また、新製品のデパレタイジングシステムを展示し、iREX開幕に合わせて受注を開始した。人工知能(AI)を活用することでさまざまなサイズの段ボールが複雑に積まれた混載にも対応し、システムがピック順序を自動で判断する。
ヒューマノイドでピック&プレースを実演
FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)商社大手の山善は、自律搬送ロボット(AMR)に載せたヒューマノイド(ヒト型)ロボットを用いたピック&プレースのデモを披露した。
同社の物流拠点で試験導入したシステムをベースにしており、AIでボックス内のものを認識し、つかみ方を自動的に判断してピックする。ボックスが空になると別のAMRが補充し、自動的にピッキングを再開する。
INSOL-HIGH(インソルハイ、東京都千代田区、磯部宗克社長)が提供する倉庫運用管理システム(WES)の指示でヒューマノイドロボットとAMRが連携しており、「AMRとヒューマノイドロボットが同じ系統の制御システムで動いており、高度な連携ができる」と担当者は話す。
また、ヒューマノイドロボットの社会実装という「未来」を提示するのと同時に、「現在」に向けた提案として、台湾のロボットメーカー、テックマンの協働ロボットを用いた検査・搬送システムも展示した。
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