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2025.12.10
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ロボットから見るIIFES 2025

オートメーションと計測の技術展示会「IIFES(IIフェス) 2025」が11月19日~21日の3日間、都内の東京ビッグサイトで開催された。前回展比で6.7%増の4万5324人が来場した。欧州を中心に、産業用パソコン(IPC)など同一のハードウエアを使い、複数のソフトウエアで異なる制御系を動作させる方式が盛んに提案されている。今回の会場でも、同様の提案が目立った。その進化が続くと、ロボットなどの自動化機器の即応性や周辺機器との連携のしやすさも向上する。そこで、自動化機器の新製品やITシステムと高度に連携したロボットなどをまとめた。

同期性の高さで連動作業に向くリニア/安川電機

 安川電機はリニア搬送システム「オーバルリニア」を参考出展した。
 コイルを内蔵した楕円形(オーバル)のレールと永久磁石を搭載した可動子で構成され、磁気を使って可動子を動かす。可動子の移動速度や位置を個別に制御でき、使い方の自由度が高いのが特徴だ。 2026年度内の正式発売を目標にしている。

安川電機が参考出展した「オーバルリニア」

 展示では、オーバルリニアの可動子と直動機器の可動子を連動させて同期制御技術を披露した。実際の生産現場でも、対象物(ワーク)の輪郭に沿って接着剤などを塗布したりと、移動させながら加工を施すなどの使い方を想定しているという。

 リニア搬送システムでは海外メーカーが先行しているが、担当者は「国内メーカーならではの手厚いサポートを期待する声は多く、引き合いもある。高速で搬送しながら高精度に加工するなど、周辺装置との高い同期性を発揮できるはず。制御系を長年手掛けてきたわが社の特徴」とアピールする。

自動化機器とMESを高度に連携/日立製作所

日立製作所は産業用ロボットとMESの高度な連携技術を見せた

 日立製作所は、複数メーカーの産業用ロボットや自動化機器と日立の製造実行システム(MES)などとの連携をデモ展示した。

 デモでは、量産品の組み立てラインで緊急対応の割り込み製品を生産する流れを再現した。
 ファナックや安川電機のロボットに加え、ベッコフ・オートメーション(横浜市西区、川野俊充社長)の磁気浮遊式搬送システム「XPlanar(Xプラナー)」とリニア搬送システム「XTS」などで組み立てラインを構成する。
 通常生産では、青いボトルに懐中電灯や笛を入れて防災グッズの詰め合わせを作る。
 ただ、不定期に割り込み製品に見立てたオレンジ色のボトルの製造指示が出る。オレンジのボトルには懐中電灯などがすでに封入されており、優先的に次工程に搬送する必要がある。
 その際に、日立のMES「FactRiSM(ファクトリズム)」や計画最適化サービス「MLCP」が自律的に生産計画を調整して、ロボットや自動化機器の動作を割り込み製品の搬送に切り替える。

 担当者は「日立が誇る最新のITと、自社の生産現場で実績を積み重ねてきたOT(制御・運用技術)を融合して、エンジニアリングチェーン全体と生産現場の自動化を合わせて提案できるのが強み。人工知能(AI)も組み合わせて、さらに進化させていく」と話す。

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