[進化する物流vol.4]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その1】
東京では4年ぶりの開催
東京で国際物流総合展が開かれるのは4年ぶり。天候にも恵まれ、会期中は毎日1万人以上の来場者でにぎわった。同展は倉庫や物流施設の自動化に使われる物流システム機器の他、テナントを募集する物流倉庫や、物流資材、物流向けソフトウエアなどが幅広く展示される展示会だ。日本産業機械工業会や日本ロジスティクスシステム協会など7団体が合同で主催する。
主催団体の一つである日本物流システム機器協会の下代博会長(ダイフク社長)は、「この4年間には新型コロナウイルス禍もあり、求められる物流のあり方が変化した。この期間に大きく進化したソリューションが一堂に披露されることをうれしく思う」と述べた。
総合的な能力を訴求/オークラ輸送機
今回展では大手メーカーを中心に、物流の複数工程をまとめて自動化提案する展示が目立った。
マテリアルハンドリング(マテハン)機器の国内大手、オークラ輸送機(兵庫県加古川市、大庫良一社長)もその1社。「歩かない。持たない。探さない。~Smart Picking & Palletizing(スマートピッキング&パレタイジング)~」をテーマに出展した。
まず棚搬送型の自動搬送ロボット(AGV)を使い、人が荷物のピッキングして配送用の箱に移し替える。その配送ボックスをコンベヤーで搬送して、カートラックにロボットが積み込む。積み込みが終わると、今回展で発表したカートラックけん引型AGV「OKURUN(オークラン)」が、かご台車を動かす。これらを統合制御する展示を披露した。
大庫大輔専務取締役は「コンベヤーや自動倉庫が提案の中心だったが、5年ほど前から、前後工程も含めた自動化システムを求められるようになった。多様な提案の幅やシステムインテグレーションの能力だけでなく、大規模になりやすい物流装置の施工能力も要る。そういった全体の構成能力を訴求したい」と狙いを話す。