ウェブ展で多数の新製品を発表/ファナック
ファナックは6月14日~25日、ウェブ上で「第30回ファナック新商品発表展示会」を開いた。一昨年までは山梨県忍野村の本社内で開催していたが、新型コロナウイルス禍を受け昨年は中止、今年はウェブ上での開催となった。技術解説動画やウェブセミナーで、既設の工作機械に後付けできるロボットシステムや、プレス加工機向けのロボットなど、多数の新製品、新技術を発表した。
工作機械に簡単後付け
工作機械やその制御装置も手掛けるファナックならではの強みを生かしたのが、工作機械に簡単に取り付けられるロボットシステム「QSSR」だ。工作機械への被加工材の付け替えを自動化する。工作機械の制御装置とケーブルでつなげば簡単にセットアップできるロボットシステムだ。
これまでも新設機に取り付けるタイプは販売していたが、新たに既設の工作機械向けの「QSSR ON-SITE(オンサイト)」を発表した。工作機械を自動化する場合、工作機械側の仕様変更が必要な場合が多い。しかしQSSRオンサイトでは、ドアの開閉やボタン操作もロボットが担当。工作機械側の仕様を変更せずに既設機を自動化できる。
搭載したのは、安全柵なしで使える協働ロボットの「CRXシリーズ」だ。「ファナックでは従来からの高い信頼性、高い性能に加え、新たに使いやすさも追求している。それを体現するのがCRX。その他の商品でも使いやすさの向上には力を入れている」とロボット事業部長の稲葉清典取締役専務執行役員は言う。
可搬質量や速度がアップ
動画は技術情報サイトでも配信予定
3次元ビジョンセンサーでは、近距離用の新製品を披露した。遠くから広範囲を見るのではなく、近距離から小さな範囲を精密に認識するためのセンサーだ。0.5mm厚の板状の部品など、薄い対象物を認識できる。検出対象を設計データから自動で設定する機能なども追加した。その他、スポット溶接やアーク溶接、塗装、パレタイジング(荷役台への積み付け)用のロボットや、パラレルリンクロボット「ゲンコツロボット」などの最新機種も紹介した。新商品発表展示会は期間限定での開催だったが、各製品の技術解説動画は引き続き同社の技術情報サイト「ファナックDXCE」でも配信する計画だ。(ロボットダイジェスト編集デスク曽根勇也)
同じ企業の記事
>>[新春インタビュー]ロボットは“つながる”ことで飛躍的に進化する【前編】/ファナック稲葉善治会長兼CEO
>>[新春インタビュー]ロボットは“つながる”ことで飛躍的に進化する【後編】/ファナック稲葉善治会長兼CEO
>>「高度な技術を使いやすく」、新製品を多数発表/ファナック
>>[特集 国際ロボット展vol.3]AIやIoTを実装、使いやすさ意識の高度な技術/ファナック
>>技術情報をウェブで発信、専用サイト「FANUC DXCE」開設/ファナック
>>QRコードを使ったスマホ問い合わせサービス開始/ファナック
>>ロボット大賞経済産業大臣賞を受賞/ファナック
>>大小のハンドリングロボットを発売/ファナック
>>[国際ロボット展 特別リポートvol.2]新型協働ロボをフルラインアップ/ファナック
>>3年ぶりの自社展で多数の新提案/ファナック
>>協働型で最大50kgまで対応可能に/ファナック
>>最新技術が一堂に!富士山麓の本社で自社展開催/ファナック
>>スペインの拠点を拡張、欧州事業を強化/ファナック
>>戦略的投資の一環で、米国ミシガン州に新拠点を竣工/ファナック
>>教示操作盤を17年ぶりに刷新、ギガキャスト対応の大型ロボットも開発/ファナック
>>既存ラインを変えずに協働ロボットを導入/ファナック 山口賢治 社長兼CEOインタビュー
>>[人事]6月に稲葉善治会長が特別顧問に/ファナック
>>ロボットの遠隔操作システムを開発/ファナック
>>新製品が目白押し、鉄を切削加工できるロボットも登場/ファナック