ユニークな自動倉庫や柔軟に使える搬送ロボット【その4】/国際物流総合展
直交型で省スペース
物流分野での産業用ロボットの用途の一つに、パレットに積まれた荷物をコンベヤーなどに乗せ換えるデパレタイズシステムがある。国際物流総合展の会場でも数社がデパレタイズシステムを展示した。
東芝グループのブースでは、デパレタイズ向けに東芝インフラシステムズ(川崎市幸区、今野貴之社長)が「直交型荷降ろしロボット」を展示した。画像処理技術を使ってパレットに積まれた箱を認識し、ロボットで把持して後方のコンベヤーに載せる。
デパレタイズには垂直多関節ロボットが使われることが多いが、垂直多関節型は動きの自由度が高い分、安全確保のため柵で囲むスペースが大きくなってしまう。
一方、東芝インフラシステムズのシステムは動きがシンプルな直交型を採用しているため、2.2m×3.4mの小さなスペースで設置できる。可動部分をあらかじめ柵などで囲ってあるため、別途防護柵などを設置する必要もない。
「画像認識技術により、事前に荷物の情報を登録しなくても対応できるので、使うのはとても簡単」とセキュリティ・自動化システム事業部の村上厚参事は言う。
ロボットで袋を積み下ろし
ファナックは、産業用ロボット「R-2000iC/125L」と3次元ビジョンセンサーの新製品「3DV/1600」を組み合わせたシステムを展示。20kgの米が入った袋の積み下ろしを実演した。
ロボットの手首に付けたビジョンセンサーで米袋の中心を認識し、吸い着けて持ち上げ、反対側に積み上げる。従来のビジョンセンサーよりも遠くから広範囲を見られる3DV/1600の特徴を生かしたシステムだ。
その他、新型の協働ロボット「CRX-10iA」や、12kg可搬のスカラロボット「SR-12iA」などさまざまなロボットを展示した。特にCRX-10iAの前には大きな人だかりができた。