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2020.12.03

食品、医薬品製造を省人化! 多彩なロボットシステム提案【その2】

11月25日~27日の3日間、千葉市美浜区の幕張メッセで食品製造の自動化・省人化展「フードテックジャパン」や医薬品・化粧品の開発製造展「インターフェックスウィーク」が開かれた。食品や医薬品向けの専用機やロボットシステムなどが展示され、全展合計で1万9953人が来場した。「その2」では、フードテックジャパンの会場で見つけたロボットの周辺機器や、荷役台(パレット)に箱を積み下ろすパレタイズ・デパレタイズ専用システムを紹介する。

食品向けハンドのサイズを充実

ニッタはソフマティックスのサイズを拡充

 フードテックジャパンでは食品対応のロボットハンドを展示する企業もあった。

 ニッタは、食品をつかむための柔軟性のあるロボットハンド「SOFTmatics(ソフマティックス)」を展示した。
 ソフマティックスには、対象物を包むように持つ5本指タイプ、挟むようにつかむ2本指タイプ、つまんで把持する3本指タイプがある。これまではそれぞれ1サイズで展開してきたが、「カバーできていないニーズが分かってきた。そこでサイズを増やして新たに10品種開発している。これで大きなパンや、小さなチョコレートにも対応できる」(製品担当者)。

豊電子工業とのコラボで構築したロボットシステム

 ブースでは、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の豊電子工業(愛知県刈谷市、盛田高史社長)とコラボレーションし、ファナック製ロボットや2次元ビジョンセンサーと組み合わせたシステムを展示。
 フィナンシェ(軟らかい焼き菓子)をつかむ動作デモを披露した。

対象物の形状に倣う

コボットセルにならいハンドユニットを装着

 機械部品メーカーのTHKは、そばをゆでるロボットや、人の検温をするロボットなど多数のロボットシステムを展示した。

 グループ会社のTHKインテックス(東京都港区、植村元博社長)が販売する協働ロボットパッケージ「Cobot Cell(コボットセル)E」と組み合わせ、さまざまな形状や材質に対応できるロボットハンド「ならいハンドユニット」も参考出品した。

つかむ対象物の形状にハンドが倣う

 ハンドの内側に多数のピンがあり、つかむ対象物の形状に倣ってピンが可動する。倣った後にピンを固定することで、不定形物でもしっかりと把持できる。

「機械式のシンプルなロック機構を搭載した。食品や医薬品、機械部品など幅広く対応できる」と開発担当者は言う。

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