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2019.04.04

連載

[注目製品PickUp!vol.11]製造現場でもヒト型を【前編】/カワダロボティクス「NEXTAGE」

今回の「注目製品PickUp!」で取り上げるのは、カワダロボティクス(東京都台東区、川田忠裕社長)のヒト型ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」。腕が2本の双腕型で、ボディーの上には頭が付く。リスクアセスメント(リスクの確認と対処)をすれば安全柵なしで設置でき、人に交じって働ける。2018年にはバージョンアップし、できる仕事の範囲が広がった。前編ではその特徴を中心に紹介する。

 カワダロボティクスは、持株会社川田テクノロジーズの事業会社で構成されるKTI川田グループの一員で、グループ内でロボット事業を担う。

 垂直多関節ロボットやスカラロボットなどの一般的な産業用ロボットは製造しておらず、ヒト型に特化したラインアップが大きな特徴だ。「NEXTAGE(ネクステージ)」、「NEXTAGE OPEN(ネクステージオープン)」、「HRP-2プロメテ」、「HRP-3プロメテMk-Ⅱ(マークツー)」「HRP-4」などの製品をそろえる。いずれもヒト型のロボットだ。

カワダロボティクスのヒト型ロボット「ネクステージ」

 同社の代名詞とも言えるのが、今回紹介するネクステージ。80W以下の低出力のモーターで駆動し、リスクアセスメントをすれば安全柵なしで設置できる。
 同社の他の製品は大学の研究室などで使う学術用だが、ネクステージだけは工場などでの使用を想定した産業用ロボットだ。

サイズ感は人と一緒

 ネクステージの本体は、人の上半身のような形をしている。この本体を、下半身の替わりになるキャスター付きの台座などに設置して使用する。

 標準の台座に載せると身長は169cm、肩幅は62cm。アームの動作範囲は前方が約62cm、左右は約126cmで、体の正面では両腕で作業できる。
 6軸の自由度を持つ腕が2本あり、胴体は水平回転の1軸、首は水平・垂直方向の2軸で可動する。軸構成で特徴的なのが肩だ。両腕を前に出すための回転軸があり、体の正面での両手作業がしやすい。

 「ネクステージは単なる双腕ロボットではなく、『ヒトと一緒に働くヒト型ロボット』。人に交じって働き、現場環境を変えずに人が担っていた作業を代替できなければならない。そのため、本体サイズや動作範囲などは人と同じになるように意識した」(管理部広報担当、藤井洋之課長)。

  • 体の正面での両手作業がしやすい軸構成

  • 「本体サイズや動作範囲などは人とほぼ同じ」と藤井洋之課長

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