合同でブースを構え、多品種少量の自動化を提案/ブラザー工業、三和ロボティクス
ブラザー工業(E14)と三和ロボティクス(E15)は合同でブースを構え、ブラザー工業の小型5軸マシニングセンタ(MC)「U500Xd1-5AX」と三和ロボティクスのロボットシステム「NEXSRT(ネクサート) V16」を組み合わせた自動化システムを展示している。
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ブラザー工業(E14)と三和ロボティクス(E15)は合同でブースを構え、ブラザー工業の小型5軸マシニングセンタ(MC)「U500Xd1-5AX」と三和ロボティクスのロボットシステム「NEXSRT(ネクサート) V16」を組み合わせた自動化システムを展示している。
芝浦機械(D10)は双腕の協働ロボット「RIDRS(ライダース)シリーズ」を出展している。そのうち、ヒト型のRIDRS-Hは人間でいう腰のあたりにも関節を持ち、前かがみの姿勢を取れる。片腕7軸ずつの14軸と腰の2軸を合わせ、全16軸の自由度を持つ。最新型は以前よりも動作をスムーズにした。それにより、作業工程の一連の動作にかかる時間(タクトタイム)を最大30%程度短縮できた。
愛知産業(E4)は、金属製ワーク(対象物)の自動研磨をブースで実演した。産業用ロボットでワークをつかみ、研磨ベルトに押し当てて研磨する。押し当てる圧力を一定にできるため、安定した品質で加工できる。
ユニバーサルロボット(C13)は、ブース内に8つのデモシステムを配置した。走行軸を同社の協働ロボットと組み合わせたデモシステムは特に注目を集めている。 吉岡孝朗シニアマーケティングマネージャーは「接触を検知して停止する機能を持つ世界初(同社調べ)の走行軸をデモシステムに採用した。協働ロボットと走行軸のどちらかが停止するともう一方も停止するようにしており、安全柵を置かずに使えるため省スペースを実現できる」と話す。
ヤマザキマザック(D01)は、協働ロボットセル「Ez LOADER(イージーローダー) 30」を組み合わせた自動化システムを展示している。工程集約が可能な複合加工機「INTEGREX(インテグレックス) i-200H S」と組み合わせ、多品種少量生産向けの自動化ソリューションを提案する。ハンドチェンジャーも搭載しており、径違いの2種類の被加工物(ワーク)の脱着からチャックの爪の交換までを1台の協働ロボットが担う。
シュンク・ジャパン(D19)は、空圧グリッパーなど多数の新製品を展示した。「フィンガー・クイック・チェンジ・システム BSWS-R」は、グリッパーの爪を自動で交換できる。爪を外す際はスライド動作を、新たに付ける際は差し込む動作をロボットがすることで、簡単に爪を付け替えられる。星野泰宏社長は「グリッパーごと自動交換するシステムに比べ、爪だけを複数用意すればいいため、省スペースでコストも抑えられる。他にも電気自動車(EV)の製造工程の自動化に特化した新製品なども開発しており、幅広い自動化ソリューションを提案したい」と語る。
THK(D46)は、リニア搬送システム「VTSシリーズ」を参考出展した。リニア搬送システムはコンベヤーなどに比べて、高い位置決め精度や、複数ある搬送台それぞれを単独で制御できる特徴などを持つ。対象物(ワーク)を搬送台に乗せたまま、塗布や組み立てなどの作業をしやすいため、近年は特に注目を集める。THKのVTSも同様の特徴を持つ。さらに、搬送台に同社の直動案内装置「LMガイド」をベースにしたガイドで搬送台を稼働させる。そのため、複数のユニットをつなげて搬送経路を長くした際にも、がたつきを生じにくい。また、独自の給油方法で潤滑油を補給できるなど、LMガイドで培った知見を盛り込んだ。担当者は「リニア搬送システムでは後発だが、長年培ってきたLMガイドの特徴を取り入れることで、差別化を図る」と意気込む。
メックマインド(C3)は、ビジョンセンサーの新製品「Mech-Eye NANO ULTRA(メックアイ・ナノ・ウルトラ)」を展示した。本体の幅が100mm、質量が700gと小型で軽量なため、可搬質量の小さい協働ロボットへの搭載に向く。 営業部の泉悠和営業マネージャーは「解像度が高いのも特徴。自動溶接などのニーズに応えるべく開発した」と話す。また広い視野と高精度を両立した「メックアイLSR XL」も初披露した。
輸入商社の進和(D66)は、中国の上海市に本社を置くJAKA(ジャカ)ロボティクスが製造する可搬質量20kgの協働ロボット「JAKA Zu 20」を国内初披露した。可搬質量が大きく、アームのリーチ長が長いため、荷役台(パレット)に荷物を上げ降ろしするパレタイズ・デパレタイズなどの用途に向く。
システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のトライエンジニアリング(E48)と、切削工具メーカーのイワタツール(E49)は、ロボットを使った切削加工システムを複数展示している。一つはロボットで付加製造(AM)した対象物(ワーク)を、もう一台のロボットで切削加工して仕上げる。実際に宇宙産業での導入例もあり、サンプルワークなども展示する。もう一つは、切削加工する工具を交換しながら複数の加工を施すシステムだ。工具を回転させるスピンドルを3方向に付けている。垂直多関節ロボットの先端軸を回転させてワークに押し当てる面を変えることで、穴開け加工やねじ山を切り出すタップ加工など、複数の加工をする。トライエンジニアリングの岡丈晴専務は「ロボットで切削加工をする利点は多い。それらが伝わるような展示にできた」と自信を見せる。