2026.06.05
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大手軸受けメーカー2社が経営統合へ/日本精工、NTN

日本精工とNTNは5月12日、両社の経営統合に関する基本合意書を締結した。来年中に共同持株会社を設立し、両社がその完全子会社となる共同株式移転を予定する。需要業種の成長鈍化や業界内の競争激化などがある中、大手軸受けメーカーの両社が統合することで、長期的な利益のある成長を目指す。これから参入強化を図る市場として、特にロボット関連分野を挙げた。

水野敦志:ロボットダイジェスト編集部

事業規模は世界トップクラスに

日本精工は軸受けのシェアが高く、ロボット関連技術の開発にも力を入れる

 日本精工とNTNは国内の軸受けトップメーカーであり、共に100年以上の歴史を持つ。長らくライバルとして覇を競ってきた両社が5月12日、経営統合の基本合意書を締結したと発表した。

 背景には事業環境の厳しさがあるという。同日の記者会見で、日本精工の市井明俊社長は「自動車や産業機械業界の成長が鈍化し、既存市場の急激な拡大は見込みづらい。中国企業の台頭なども脅威」と語った。NTNの鵜飼英一社長は「事業改革も進めてきたが、国際競争に打ち勝つには互いの強みを合わせる必要がある」と述べた。

NTNは軸受けの他、外観検査システムに使える手首関節モジュールなども開発

 軸受け業界では世界的にも業界再編の流れがあり、主要メーカーが集約してきた。市井社長は「世界的なトップはスウェーデンのSKFで、ドイツのシェフラーが続く。その次点に位置するわれわれが経営統合することで、単純な事業規模の合算ではトップに並べる」と話した。

 ただ統合の目的は単なる規模の拡大ではなく、事業環境に対する危機感を踏まえた、長期的かつ利益のある成長とする。対等な精神に基づく統合とすべく、共同株式移転を実施する。
 鵜飼社長は「互いに100年企業として、次の100年を見据えた持続的な成長が重要。まずは社内外のステークホルダー(利害関係者)の十分な理解を得ることが課題」と伝えた。

成長分野で強みを発揮

経営統合の今後の流れ

 長期的な成長に向けた戦略として、経営資源への投資と最適活用、ポートフォリオ(事業構成)の変革、企業文化の垣根を超えた技術・人材・知見の結集の3点を挙げた。具体的な施策は、相互の製品ラインアップや顧客基盤の活用、部品調達の最適化、研究開発費の効率的な運用など。

 加えて新規事業への取り組みとして、成長分野であるロボットや医療、ドローン、宇宙関連市場への参入を強化する。特にロボットと人工知能(AI)技術に関連する市場が、産業用と家庭用を含めて拡大すると予測し、軸受けや直動部品の開発で両社の強みを生かす方針を示した。

記者会見で固い握手を交わす日本精工の市井明俊社長(=左)とNTNの 鵜飼英一社長

 今後は、基本合意書締結日である5月12日から6カ月以内をめどに最終契約を締結し、来年6月の定時株主総会を経て、持株会社を設立する。現時点では来年10月の設立を予定しており、同時に東証プライム市場への上場も計画する。
 社名や本店所在地などはこれから協議し、同時に米国証券法や国内外の競争法に関する対応も進める。

 

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