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2024.01.30

[2023国際ロボット展リポートvol.26] それぞれのアプローチでロボット普及を推進/パナソニックHD、KUKA、ハイウィン、ファーロボティクス、山洋電機、NEDO

昨年12月から順次公開してきた国際ロボット展(iREX)の展示リポートも今回で最後となる。これまでもさまざまな製品やサービス、ソリューションを紹介してきたが、注目すべき展示はまだまだ多い。vol.26では、会場で見つけた見逃せない展示を次々に紹介する。

開発中のハンドやアームを参考出品/パナソニックHD

ハンドの指がベルトコンベヤーのようになっており、つかんだ後にワークの位置や姿勢を調整できる

 パナソニックホールディングスは、開発中のロボットハンドとロボットアームを参考出品する。
 ロボットハンドは、指にベルトを搭載しているのが大きな特徴。ベルトを使うことで、対象物(ワーク)をつかんだままその位置や姿勢を適切に調整できる。また、指先の力センサーでワークをつかんだ瞬間に硬さを判断し、力加減をコントロールする。ロボティクス推進室戦略企画課の戸島亮課長は「スポンジのような非常に柔らかいものも難なくつかむことができる」と語る。

 ロボットアームは、マッサージチェアに搭載していた独自の力センサーを採用しているのが特徴。動作途中に人と接触した場合も、それを受け流しながら動作を続行できる。

熟練研磨をロボで再現/KUKA Japan

SIerパートナーとともにアプリケーション提案に注力したKUKA Japanの石丸広典社長

 KUKA Japan(クカジャパン、横浜市保土ケ谷区、石丸広典社長)は日本市場で積極的なパートナーシップを築き、さまざまなアプリケーション(活用方法)を開発していることを前面に押し出した。

 システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のインフィニティソリューションズ(長野県上田市、小山田聡社長)とは、熟練技能者のような研磨を実現するロボット研磨システムを展示し、来場者の注目を集めた。
 また技研(石川県能美市、宮本秀一社長)のガントリーローダーにロボットを搭載し、柔軟で多機能なロボットローダーを披露した。

 「他にも、重可搬ロボット『KR FORTEC(フォルテック)-2 ULTRA(ウルトラ)』の640kg可搬タイプなど、多彩な新製品が来場者の好評を博している。幅広い分野でわが社のロボットが使われることを実感している」と石丸広典社長は力強く語る。

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