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2021.06.04

搬送ロボット市場に参入、製造現場に照準/シナノケンシ

 ASPINA(アスピナ)ブランドでモーターやロボットハンドなどを製造、販売するシナノケンシ(長野県上田市、金子元昭社長)は6月2日、新たに搬送ロボットを開発したと発表した。同社が搬送ロボットを開発するのは今回が初めて。

ウェブ記者会見で搬送ロボットを紹介する金子行宏常務(左)と開発技術本部の臼井弘明副本部長

 周辺環境を認識して自らの位置を推定しながら自律的に走行できるSLAM(スラム)誘導方式の製品だ。製造現場向けで、最大可搬質量は100kg。
 「既存の狭い環境でも動きやすいよう、小回りが利くボディーと足回りが特徴の一つ」と金子行宏常務は言う。幅は525㎜、長さは615mmで、最小回転径は700mm。その場で旋回するスピンターンもできる。

 また導入時の設定が簡単なことも大きな特徴だ。発表時のデモでは、その場で周辺環境の地図を作成し、停止位置などを指定して、わずか数分で動かしてみせた。通信機能を備え、自動ドアなどとの連携もできる。

 この6月に試験販売を開始。試験販売先からのフィードバックを反映させ、来年度中に量産版を発売する方針だ。「2026年に年間500台の販売を目指す」と金子常務は語る。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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