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2019.07.17

ロボットで35年の実績! 独自の立ち位置から最適提案/しのはらプレスサービス

しのはらプレスサービス(千葉県船橋市、篠原正幸社長)は、ロボットを使ったプレス機の自動化を提案する。3台のプレス機と2台のロボットを組み合わせた自動化システムで昨年、日本鍛圧機械工業会(会長・アマダホールディングス坂木雅治相談役)の「MF 技術大賞2018‐2019」の奨励賞を受賞した。「プレス機メーカーともロボットメーカーとも違う独自の立ち位置が当社の強み。両分野を熟知したシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)として、顧客に最適なシステムを提案する」と篠原社長は話す。

完全自動化で90秒を43秒に

昨年の「MF技術大賞2018‐2019」で奨励賞を受賞したシステム

 しのはらプレスサービスは、プレス機の点検や保守、改造などを手掛けるエンジニアリング会社だ。
 産業用ロボットを使った自動プレス加工システムを構築するSIerでもある。

 昨年のMF技術大賞2018‐2019では、「汎用多関節ロボットを活用した高効率モータ用部品のノッチング加工の自動化」で奨励賞を受賞した。
 これは三井三池製作所(東京都中央区、平川幸知社長)の九州事業所に納入したシステムで、 2台のロボットと2台のノッチング(打ち抜き)プレス機、1台のシャフト穴加工用プレス機で構成する。1枚の円盤状の鋼板から、大型モーターの固定子(ステーター)と回転子(ローター)用の電磁鋼板を生産する。

市販の産業用ロボットで素材を供給する

 円盤状の鋼板を1台目のノッチングプレスにセットし、内側に凹凸がある輪のような形状に打ち抜く。これでステーター用の鋼板は完成だ。残りの一回り小さくなった円盤をシャフト穴加工用プレスで加工した後、2台目のノッチングプレスで今度は外周に凹凸がある形状に打ち抜く。これがローター用の鋼板になる。
 これら一連の工程を産業用ロボットで自動化。ステーターとローター1セット当たりの生産時間を従来の90秒から半分以下の43秒に短縮できた。

段取り替えを効率化する高精度割り出し装置

 産業用ロボットは安川電機製を採用。「汎用の産業用ロボットを使うことで手軽に自動化でき、もし将来このシステムが必要なくなった時は他の作業に使うこともできる」と篠原正幸社長は言う。
 一方、ノッチングプレスは同社が専用に開発。高精度に角度を割り出せるユニットを組み込むことで、従来必要だった補助器具をなくし、製造する製品の切り替えにかかる時間を180分から10分へと短縮した。

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