団地内でのマイクロモビリティーのシェアリングや荷物搬送を検証/竹中工務店ほか
団地内の移動・搬送を支援
竹中工務店は9月17日、大阪市城東区のUR森之宮第2団地で「シェアマイクロモビリティ自律・遠隔けん引」の実証実験を行った。同社が実施主体を務め、スズキ、マイクロモビリティーメーカーのストリーモ(東京都墨田区、森庸太朗最高経営責任者)、山善、遠隔操作技術を手掛けるアダワープジャパン(東京都台東区、安谷屋樹社長)が共同実施者として参画した。
今回の実証実験は、大阪商工会議所と都市再生機構が募集した実証プロジェクト「まちなかリビングラボプロジェクト第2弾」に採択されたもの。同プロジェクトは、大阪城東部地区にあるUR森之宮団地やUR森之宮第2団地などを活用し、企業・団体の先端技術などによって、さまざまな暮らしの形を体現することを目的とする。
高齢化が進む団地などでは、最寄り駅やスーパーマーケット、病院への短距離移動や、購入した荷物を自宅まで運ぶ際の負担が課題となっている。電動三輪車と電動四輪車の2種類のマイクロモビリティーが団地内を安全に走行できるかを検証するとともに、搬送ロボットでマイクロモビリティーを利用者の元へ届け、利用後に回収・再配置する仕組みや、荷物を搬送するサービスの実現可能性を確かめた。
電動三輪車にはストリーモが開発した「Striemo(ストリーモ)S01JTA改」、電動四輪車にはスズキの「スズライド2」を使用した。いずれも搬送ロボットによるけん引に対応する仕様とし、山善が連結装置や連結用ジグ(固定具)の選定、導入を担った。
マイクロモビリティーのけん引には、スズキの多目的電動台車「MITRA(ミトラ)」をベースとする2種類のプロトタイプの搬送ロボットを使用した。自律移動型の搬送ロボット(AMR)には山善の「YAMAZEN(ヤマゼン)AMR」を採用した。遠隔制御搬送ロボットにはアダワープジャパンの「建設現場用遠隔監視ロボット」を採用した。
配送から乗車、回収まで確認
団地内走行の検証に先立ち、AMRが電動四輪車を、遠隔制御搬送ロボットが電動三輪車を、それぞれ車両ポートから乗車場所までけん引した。
AMRは四輪車と自動で連結し、自律走行で乗車場所までけん引した。到着後は連結を自動で解除し、車両ポートへ戻った。遠隔制御搬送ロボットは三輪車と自動連結後、オペレーターの遠隔操作で乗車場所までけん引。到着後は遠隔操作で連結を解除し、車両ポートへ戻した。
乗車場所への搬送後、参加者はあらかじめ設定された団地内のコースで電動三輪車・四輪車を走行させた。「試乗した高齢の団地住民から『最近自転車に乗りづらくなったが、マイクロモビリティーなら自分でも運転できそう』との声が寄せられた」と竹中工務店スマートコミュニティ本部の天雲伸一副本部長は話す。
四輪車の走行後には、AMRが再び車両と自動で連結し、車両ポートまでけん引した。
これらの検証を通じ、搬送ロボットによるマイクロモビリティーのけん引や参加者による団地内走行、AMRによる利用後の四輪車の回収といった、シェアリングサービスを想定した一連の流れを確認した。
この他、住民が荷物を運ぶ負担を軽減するサービスを想定し、遠隔制御搬送ロボットによる荷物搬送を検証した。利用者がロボットに手を振って呼び出し、オペレーターの遠隔操作で荷物を載せたカートを目的地までけん引する一連の流れを確認した。ロボットに搭載したスピーカーを通じ、搬送中に利用者と会話できることも確かめた。
社会実装に向け、採算性や利用ニーズの把握などが課題として残る。天雲副本部長は「利用料金と提供コストを精査し、事業として成立するかを見極める必要がある。こうした移動・搬送にどれほどのニーズがあるかを確かめるのも重要だ。具体的な計画は未定だが、今後も都市再生機構と連携して実証を進めたい」と見据える。
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