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2024.01.24

[2023国際ロボット展リポートvol.22]空圧機器だけじゃない!/SMC、CKD、フエスト

ロボットシステムやFA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)システムに欠かせない重要な要素の一つが空圧機器だ。各メーカーは国際ロボット展の会場で最新の空圧機器を展示した。それだけでなく、今回展では空圧と他の技術を最適に組み合わせたベストミックスの提案も目立った。

空気圧だけでなく、FA全体をアピール/SMC

SMCは電動シリンダーや無線通信など空気圧以外も積極的にアピール

 FA機器大手のSMCは、「ロボットの価値を最大化させる!」をテーマに出展した。同社の得意な空圧機器だけでなく、電動アクチュエーターや電動グリッパーなど幅広い製品群をアピールした。

 目玉の一つが、段ボール箱の搬送をイメージした展示だ。ローラーコンベヤーで段ボールを搬送して、作業する位置で段ボールを止める。そのストッパーには、同社製の電動シリンダーとエアシリンダーを使った。また、段ボールを搬送する協働ロボットには協働ロボット用真空グリッパーを搭載した。
 そして、それらを統合制御するプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)と各機器の通信には、無線システム「EXW1/EX600-W」などを使った。これも同社の製品で、産業用に広く使われる周波数帯「ISMバンド」を使い、通信プロトコルは「IOリンク」や「イーサネット」、「プロフィネット」、「イーサキャット」など幅広く対応する。

 担当者は「一番の特徴は通信の安定性。障害物が多くても影響やノイズが少なく、セキュリティーレベルも高い。移動ロボットへの搭載や柔軟なレイアウト変更など、通信ケーブルをなくせる利点は多い」と話す。

SMCの「弾性グリッパ」はゴムでできており、包み込むようにワークを把持する

 また、個別製品でも来場者の目を引いた。その一つが参考出展した「弾性グリッパ」だ。挟み込むタイプのロボットハンドの先端部(爪)として使う。対象物(ワーク)と接する部分がゴムシートになっており、不定形なワークでも安定して把持できる。一般製品用と食品用の2種類あり、食品用はゴムを青色に着色するなど、米国食品医薬品局(FDA)の認証に準拠するように開発している。

 担当者は「ワークによってグリッパーの爪を付け替えるのは手間がかかるが、弾性グリッパなら幅広い製品に対応できる。また、ゴムを使うので、熟れた果物などの柔らかい物もつぶさずにつかめる」とアピールした。

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