[2023国際ロボット展リポートvol.22]空圧機器だけじゃない!/SMC、CKD、フエスト
空気圧だけでなく、FA全体をアピール/SMC
FA機器大手のSMCは、「ロボットの価値を最大化させる!」をテーマに出展した。同社の得意な空圧機器だけでなく、電動アクチュエーターや電動グリッパーなど幅広い製品群をアピールした。
目玉の一つが、段ボール箱の搬送をイメージした展示だ。ローラーコンベヤーで段ボールを搬送して、作業する位置で段ボールを止める。そのストッパーには、同社製の電動シリンダーとエアシリンダーを使った。また、段ボールを搬送する協働ロボットには協働ロボット用真空グリッパーを搭載した。
そして、それらを統合制御するプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)と各機器の通信には、無線システム「EXW1/EX600-W」などを使った。これも同社の製品で、産業用に広く使われる周波数帯「ISMバンド」を使い、通信プロトコルは「IOリンク」や「イーサネット」、「プロフィネット」、「イーサキャット」など幅広く対応する。
担当者は「一番の特徴は通信の安定性。障害物が多くても影響やノイズが少なく、セキュリティーレベルも高い。移動ロボットへの搭載や柔軟なレイアウト変更など、通信ケーブルをなくせる利点は多い」と話す。
また、個別製品でも来場者の目を引いた。その一つが参考出展した「弾性グリッパ」だ。挟み込むタイプのロボットハンドの先端部(爪)として使う。対象物(ワーク)と接する部分がゴムシートになっており、不定形なワークでも安定して把持できる。一般製品用と食品用の2種類あり、食品用はゴムを青色に着色するなど、米国食品医薬品局(FDA)の認証に準拠するように開発している。
担当者は「ワークによってグリッパーの爪を付け替えるのは手間がかかるが、弾性グリッパなら幅広い製品に対応できる。また、ゴムを使うので、熟れた果物などの柔らかい物もつぶさずにつかめる」とアピールした。