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2018.11.16

AIやAGV、ビジョンセンサーで協働ロボが進化

安全柵が不要な協働ロボットに、人工知能(AI)や無人搬送車(AGV)、ビジョンセンサーを組み合わせた提案が増えている。これらはいわばロボットの頭脳や足、目であり、ロボットの機能を大きく拡張できる。10月17日~21日の5日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれたイベント「ワールド・ロボット・サミット2018」から、協働ロボットとAIやAGV、ビジョンセンサーを組み合わせた展示を紹介する。

AIを活用し、形のない食塩をすくう

デンソーウェーブの食塩の計測システム

 AIでひときわ注目を浴びたのが、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、中川弘靖社長)の展示だ。

 小型の協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」に、エクサウィザーズ(東京都港区、石山洸社長)のAI技術を組み合わせ、食塩の計測システムを構築した。
 例えば10gと重量を指示すると、コボッタが容器からスプーンで食塩をすくい取る。
 その塩を電子計量器の皿の上に落とすのだが、ちょうど10gになるよう最後は微調整しながらスプーンを傾ける。オーバーしたら逆に計量器の塩をすくって減らす。

 AIにより容器内に食塩がどのように入っているかを認識し、きちんとすくえるように動作経路を自動生成する。電子計量器での計測時に少量ずつ調整するのもAIの機能だ。

 エクサウィザーズ技術開発部の村本佳駿プロジェクトマネージャーは「食塩のような、形の定まっていない物を扱えるのは当社のAIならでは」と胸を張る。

邪魔しても問題なし

デンソーウェーブのコボッタが臨機応変に対応

 デンソーウェーブはコボッタによるミニカーの組み立ても実演した。
 「コボッタの作業を邪魔してもいいですよ」と説明員に言われ、組み付けたばかりの部品を外して隠したところ、AIがその状況を認識。コボッタが再度同一部品を組み付けるなど、臨機応変な対応を見せた。

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