[注目製品PickUp!vol.87]独自開発のAIで高精度な自動外観検査を実現/フツパー「メキキバイト」
ソフトとハードのトータル提案
高精度な検査を実現するため、ハードウエアにもこだわる。同社はワークの照らし方やワークの写し方を検証するための部屋を本社内に設けており、導入環境やワークに合わせた最適なカメラの選定や照明をはじめとした検査設備のセッティングも担う。
「ワークを映すカメラやワークへの光の当て方が検査精度に大きな影響を及ぼすため、非常に大事な要素」と大西CEO。「メキキバイトを導入する際に併せて設備を導入することが多い。カメラなどのハードは別途買い切りだが、イニシャルコストが高くならないよう、AIの利用料は定額制のサブスクリプション形式で提供する」と話す。
メキキバイトは生産ライン上でワークを検査するインライン検査を前提としており、ワークを搬送するコンベヤー上にカメラや照明などの設備を設置して検査する事例が多い。他にも、垂直多関節ロボットがワークをつかんでカメラの前まで持っていき検査する事例もあった。
顧客がメキキバイトを使った検査設備を使い始めるタイミングでは、稼働開始から間もない時期に大量のデータをAIに学ばせて検査精度を高めるなどサポートを惜しまない。開発者の立場からすれば手離れが良い方が好ましいが、顧客がメキキバイトを活用できず使わなくなったとの状況にならないよう、導入直後は特にサポートに注力する。
今後は東南アジアを中心に海外での導入実績の増加を目指す。「東南アジアの中でもタイの国内総生産(GDP)を見ると製造業の割合が高く、日本企業の進出も多い。AIを活用したソフトのローカルメーカーも少ないため、米国や中国、欧州と違って参入障壁は低い」と話す。現地で開催される展示会の出展で現地の顧客の反応を見ながら、さらなる拡販に挑む。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)