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2025.06.27
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[SIerを訪ねてvol.57]低価格のロボットで小規模企業にも自動化を/YATOMIエンジ

低価格とアフターサポートが強み

ファイリノは機構部品を内製しておりロボットの本体価格を安く抑えられる

  「ファイリノの協働ロボットとの出会いがSIer事業の転機になった」と話す高野社長。

 ファイリノは23年に日本初上陸を果たした低価格で導入できる協働ロボットだ。高精度な減速機をはじめ、機構部品を内製することで本体価格を抑えている。他のロボットメーカーの協働ロボットと比べて、約3分の1~2分の1の価格で導入できる優位性から注目が高まりつつある。

カメラでワークの形状と色を読み取りピッキングする

 YATOMIエンジは「2023国際ロボット展(iREX2023)」でファイリノのロボットと出会ったのをきっかけに、ファイリノの正規代理店を務めるロボティクスソリューションズ(東京都港区、劉竑社長)と特約店契約を結んだ。昨年1年間のロボットの販売台数は44台を記録した。

 ロボティクスソリューションズの劉社長は「高野社長はお客さまが何を求めているかを敏感に感じ取れるSIer。フットワークが軽く、新しいロボットや周辺機器が発売されたらすぐにテストをしてお客さまに提案している」と評価する。

「手厚いアフターサービスが強み」と話す高野知幸社長

 YATOMIエンジはファイリノの特約店として、アフターサポートの手厚さを強みとする。ロボティクスソリューションズが販売するアフターサポート製品「安心パック」には故障部品の2年間無償提供やオンライン無料トレーニング、技術サポートなど多岐にわたるサービスが含まれる。同社の特約店を務めるYATOMIエンジも安心パックをオプションで提供する。

ファイリノのロボットを使った製品の良否検査システム

 同社は24年の「ものづくりワールド名古屋」でファイリノを出展。中部地区でいち早くファイリノの取り扱いを始めたこともあり、自動車部品メーカーを中心に引き合いが多数あったという。

 高野社長は「展示会を通して小規模な企業から大規模な企業まで話をした。各社ともに人手不足の課題を抱えるが、小規模の企業の状況は特に深刻だった」と語る。 

 同社は今後、ファイリノのロボットの価格面とアフターサポートの手厚さを武器に、大規模な設備投資に踏み切れない小規模企業にも自動化システムの提案を強化する構えだ。

(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)

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