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2020.01.29
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[注目製品PickUp!vol.21]高精度な一体型アクチュエーターユニット【後編】/ニコン「C3 eMotion」

今後のロボット向け事業の中心

「C3 eMotionは、ロボットモジュール事業の中心に据えるべき」(田口洋課長代理)

 昨年5月にニコンが発表した中期経営計画(中経)では、ロボット分野への注力が盛り込まれた。「C3 eMotionは、ロボット分野におけるロボットモジュール事業の中心に据えるべき」と田口課長代理は強い自負をにじませる。ロボット産業は今後、需要の裾野が広がる。そしてニコンのロボットモジュール事業も裾野を広げる構えだ。    現在、エンコーダーの営業活動はピンポイントで行っている。しかしC3 eMotionの場合、営業先はもっと幅広くなる。「真のターゲットはロボットメーカーではなく、市販のロボットでは満足しない大手企業の生産技術部門や、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)など」(田口課長代理)という。  そしてその攻略には焦らずじっくりと取り組むという。

「キラーアプリ」が今後の課題

繰り返し位置決め精度のデモ

 「使い方は、つなげば特別なことをしなくても動かせる『プラグインプレイ』感覚。あとはアームやケーブル、コントローラーを用意するだけでいい」と田口課長代理は自信を見せる。  パイロット版を導入した大手顧客からは「トルク検出の誤差が少なく、ロボットとしてのシステム構築がしやすい」などと好評だ。展示会の来場者は皆口々に「おもしろい」と評価するが、同時に「どこでどう使うかがイメージできない」との声も少なくない。まだ世の中に無いもののため、いかに訴求するかに尽力する。

昨年の2019国際ロボット展では多くの活用事例を展示

 「トルクと位置の情報を両方取れる大きな利点を生かせる分野として、ロボットは明らかだが、その他の『キラーアプリケーション(普及のきっかけとなるような用途)』はまだ見つかっていない」(田口課長代理)との本音もある。  2019国際ロボット展では、来場者の想像力喚起のため多様な使い方を展示し、大きな可能性を秘めた製品であることを誇示した。  中期経営計画で掲げた成長実現のためロボットモジュール事業に注力する同社。中でもC3 eMotionは核となる戦略製品だ。マーケットの反応に合わせてラインアップを現在の2タイプから5タイプへ段階的に拡充する。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部 芳賀 崇)

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