協働ロボに注力、新製品を国内初披露/ABB
「もう少し重い物を」の声に応える
どちらのロボットも、安全柵なしで使うにはリスクアセスメント(リスクの分析と対処)が欠かせない。そこで、「SafeMove(セーフムーブ)」と呼ばれる安全機能を搭載した。
一つは「自己位置監視」。独自のシミュレーションソフトウエア「RobotStudio(ロボットスタジオ)」やティーチングペンダントでロボットの稼働範囲や危険範囲、各軸の動作速度などを直感的に設定できる。定められた範囲や速度を逸脱した際にはロボットが止まる仕組みだ。
また、外部の安全機器との接続も簡単だ。イベントでは高速でねじ締めをするゴーファに人が近づくと、レーザースキャナーが感知してロボットが動作を停止するデモを披露した。
「500g可搬のユーミィに対し、『もう少し重い物を搬送したい』との要望があった。ゴーファやスイフティはそれに応える製品」と日本法人の中島社長は語る。
手厚いサポートが強み
ユーミィと制御機器、架台などをまとめたパッケージシステムも今年5月に発売。イベントで披露した。ロボットと制御機器との接続など初期設定が済んだ状態で顧客に納めるため、立ち上げ工数を大幅に削減できる。
ゴーファやスイフティも含め、協働ロボットの主なターゲットの一つがロボットに不慣れな中小企業だ。それだけに、ABBはリモートサポートや6カ月間の導入運用支援などの顧客サービスにも力を注ぐ。
イベントでは、リモートサポートの事例として、エンジニアと顧客をウェブ会議ツールで接続。ロボットスタジオの遠隔操作で、ユーミィに作業対象物を認識させるプログラム作成を実演した。